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第百六十二話
「ただ..。」
「ただ?」
山岸は尋ねた。
「この像には背番号が入れられない..。」
「茜くんもわかってると思う。」
「そう、それが過去なんだ..。」
翌日、朝七時。
「サー今日も歌うぞ。」
なぜか野球部員はなぜか意気がっていた。
「おう、合唱部の歌が聞こえるぞ。」
「あーさのそらを..。」
「俺達走ってるな。」
「ふだんからー。」
「校則で禁じられてるな。」
「いとなみの」
「一体、何個の部がやってんだ?」
「先輩、今日は一年生音楽合唱大会の練習です。」
「早く教えろよ..びっくりしたじゃないか。」
「ラララからー。」
「山口まで?」
「すいません。」
「大会まで、俺達が歌えるのももう少しだ。」
「歌っすねえ。」
「まっそういうところだろうな。」
「野球部も音楽に芽生えましたね。」
「そういうことだ。」




