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第一四一話
「春の選抜、ノーヒッター、背番号1の中村投手でした。」
全力でベンチに戻る中村。
「あれは第一試合の坂下高校のトリプルプレーの後の選手を真似ていますね。」
「優勝を意識したということでしょうか。」
テレビ画面を見ながら妹真樹は思っていた。
「恋愛したっていいじゃない。」
「はい、もしもし、あっ相馬くん、気を落とさずに相馬くんは相馬くんらしくプレーしてね。」
二人は答える。茜と山口はテレビ電話で30分前から会話をしていた。
「山岸さん、一言。」
「がんばって。」
「おうよ。」
「はい。」
そう言ってテレビ電話ボタンを切る茜。
「今日はこのような感じで。」
「ありがとう、茜くん。」
「楽しかった一日。」
「これが3人の約束だよな。」
茜はそう言った。




