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第一三九話 ノンヒットノーランの中村・・
「第二戦目、頑張ってください。」
「中村、7回まで無安打ピッチング!」
「雨の中であのピッチング?」
中村の妹真樹は球場で応援していた。
「後、2回で甲子園ノーヒッターよ。」
そう周りはざわつく。
「私の彼氏のことマウンドで考えてヒット打たれないかな。」
「大丈夫、勝てばいいんだ。」
キャッチャーの言葉が中村を支えた。
「ここで2連続四球、前試合からバントを狙ってきます。」
「キャッチャー、ボールを捕球、バント失敗。」
25分後。
「中村、ノンヒットノーラン!!」
これは学生でも仕事と思われてもいい瞬間が訪れた。
「中村、ノーヒットノーラン。」
投球した後、帽子をとろうとして帽子のつばを触る中村。
「こりゃ、兄貴には何も言えないわ。」
「真樹ちゃん、落ち着いてる。」
「さて、そろそろ真面目に喜ぶか。」
「真樹ちゃん、心の言葉を言えるんだ。」
「やったー。」
「ハクション。」
「なんだ相馬、かぜか。」
「いえ、彼女です。」
「そうか・・。それはよかった。」




