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第一三八話
「そりゃ、野球部員全員お客さまとして実家のラーメン屋に招待したんだから、お客さまとしか言えませんよ。後輩におごる、かっこいい、芸能界の注目の話をどうしても大人は持っていきたくなりますからね。」
「やはり、勉強はしっかりしなくちゃ。」
「さすがね。真面目。」
「9回表、中川が再びマウンドにあがります。」
「相内の緊急登板は、甲子園史に残る、緊急登板でした。ここで抑えれば甲子園初勝利投手は相内に・・しかし、最後まで負けられません。晴れ間の風が今、9回の春、初戦に吹かれていることでしょう。」
「打ったー。」
「ライト、相内がキャッチ。試合終了。」
「中村投手、本日、2回戦目に向けて一言お願いできますか。」
「少し、見えた気がします。」
「えっ?」




