第十三話
「こんにちはー。」
期末テストを終え、喫茶店にいると、わしいさんが来た。元々茜の実家のラーメン屋でバイトをしていた女性だ。
「わしいさん、こんにちは。」
「茜君、元気そうで何より。あれっ環境省のときの賞状この店にあるんだ。」
「わしいさんも、編集者になってかなり言葉が素敵になりましたね。ほんと。」
「旦那が編集部だからね。でも彼の話はかなり面白いな。」
「女性は詳しいんだなあ、面白い話に乗ることがね。」
「その面白い雑誌の話だけど?」
「高校生か。・・茜君この間のうちの会社の書籍の写真だけど、ラーメン業界から人気で
半年先になるけど表紙の一部に店名を乗せたいんだけど・・。写真付き何ていかが?・・やっぱりもう高校に入っちゃったから、学校の許可も下りにくいけど。特別活動の営利目的に関わっちゃうよね・・。」
「親父が乗せる分には問題ないんじゃない?」
茜がため語で話す・・。
「仕事にアルバイトに、実家の連絡に、野球部の手伝いに・・。」
「社会人みたいね。」
「それもこれも、地元愛・・ですよ。・・わしいさん。」
「さすが。」
「雑誌もしっかりとした仕事だけど。それを集める夫でよかったわ。」
「それもそうですよ。ねっマスター。」
「まっ、親父さん次第だな・・。」
「写真は小さく、インタビュー形式なら取材を受けていいんじゃないですかね。」
「すごいな。」
客は言う。
「あんまり表ざたにしないでくださいよ。彼まだ学生ですから。」
「知ってるよ、昔はこの時期テストだったな。」
「いい話だよ。」
「そりゃ、店長候補の息子なんですから、当然。」
マスターは言った。
「じゃあ、来週あたりまた来るからね。茜君。」
「ああ、わしいさん、あと、これ・・。」




