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第一二八話 牽制球の後のセーフティーバント・・
「しかし、相内が2球ともストライクを取られるとは..。」
「さて、打席を外して3球目です。」
ツーストライクノーボール..。
「バント、バント、セーフティーバントです!」
「三塁手ギリギリですが投げる振りです。なんと牽制球で差されたその直後、セーフティバントで塁に出ました。」
「三塁手の三山くんも一塁に投げませんでしたね。両チームとも落ち着いていますね。」
解説は言う。
これに坂下高校のアルプスは歓声が沸く。
「この手法は考えられていますね。」
・・。
「初球のボールを見て明らかに僅差で持っていくマウンド姿、試合を物語っているようですね。」
「そうね、茜くん。」
答える山岸。
「山岸さん、微笑みうまくなりましたね。」
かわいいですよ、と言おうとして茜は止めた。
「さー、モニターをご覧のみなさん、茜の父ラーメン屋、一度も店の向こう側には出してはいない、給水茶、この次の回に父と母から特別に許可をもらってお配りしたいと思います!」
「がんばれ坂下!」
セーフティーバントを見ていささか興奮している父。
「ああ、マスターとかぶっちゃったよ・・。」
茜は席を立つ。




