126/270
第百二十六話
「..。」
帽子のキャップをさわってマウンドの土の様子を観察する相手チームの投手。
..これが山口..。
「関西のナックルボーラーの8回からの魔術の投球で僅差を勝ち上がってきた、岡山
県、野球部。」
「山口の一番打者に圧倒されるも、投手は表情を変えません。第一試合とはこれほど、プレッシャーのあった試合はあったでしょうか。」
ヒットで一塁にランナーが出て、第2球..。
「96キロ..。」
グランドが沸く。
「これはナックルです。」
「坂下高校、2番、相内。ベンチを一度見ます。」
「第3球..。」
..しまった。
「牽制球です。」
一塁塁審が手を挙げる。
「アウトー。」
グランドが沸く。




