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第百二十五話
だからこそ守るべきなのはグランドやマウンド、バッターボックス、アルプス席、そして人生であると思っている人たちがいる。
茜は思っていた。
・・またコーヒーカップを洗う時間が長くなるな
期待の中、マスターは応援歌前にやっと現れた。
「茜君。」
「マスター。」
「いやあ、電車で来ようとも思ったんだけど、土産渡すには車ではないと。」
「ライトへのヒット!大歓声です。」
「やったー。」
「全く点数気にせずこれだよ。」
茜はちょっと飽きれ様に言ったのだった・・。
アナウンサーは声を上げながら言う。
それはモニターの先でも一緒だった。
「それが野球なのか..。」
「あいつそう言ってますよ。」
「恐らく。」
..それが野球なのか、あいつそう言っていますよ。って誰か同じところで数百の場所で言ってるなきっと。




