117/270
第一一七話
それで食事会は終わった。
「康太。」
山口の頬に涙が溢れる。
「原点回帰何て思ってなかったけど..時間の使い方..。」
「怪我で知らぬ間に緊張感まで持つようになった康太を地元は英雄と思って応援している人も少なくない..。」
「でもその思いはどこかで過去をしっかりと見てそこに変化を加え前に進んでいくその方法を見直してほしいとマウンドはいっている可能性がある・・。」
「はい。」
「放らなくちゃ始まらないのが野球で、収まって終わるのが野球..。」
「どこかで警告をしてるのかもしれない・・。」
「でも、真琴ちゃんにも会えた・・。」
「それでも、変えるべきなのは、その緊張感を持った康太にマウンドは、いや、中学生の山口康太が警告を促す姿がさ..。きっと、康太には必要。」
「..はい。」
「また帰ってこい、康太!」
「..いい人達だ。」
「中村。」
「いいじゃないか、一年過ごした仲じゃないか。」
「まあな。」
「そっちのベースボールも忘れるなよ、山口。」




