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第一一〇話
北海道中学野球チーム監督北し羅は言った。
皆は飲食店に向かった。
山口は久々での北海道の地に気分は少し上がったようだ、また、あのときの夢を見れる。それが故郷で歩くだけでボールの投げる種類が変わっていく。だから気にしない。気にしないから体はついていくけど、本当に悲しみのなかで故郷を離れたのは今も心に残っている。
どんな形でもあろうと・・。彼の中のボールは語るのである・・。
「水と、ウニの添え、後、ミルク。」
「カルベッソのキャラメル味ですか」
「そう、カルベッソ。」
「カルベッソ?」
「そう、地元北海道の砂糖のキャラメル..エースの飲み物。」
「久しぶりだな、康太のエースのカルベッソ。」
「山口くん。」
真琴が近づく。
「ごめん、真琴ちゃん。実は相棒に言わなきゃいけない、東京の友達からの手紙を預かってるんだ。」
「そうなんだ。」
「これ、俺のメールアドレス。」
「メールアドレス?。」




