第一〇八話
「お兄ちゃん・・。」
「ん。」
「山口君に中学時代の思い出・・歌が上手くなって帰ってきてね。」
「真樹ちゃん、男は声がでかけりゃいいんだよ。特に野球選手はね・・。」
「そのバリトンはまるー。」
「じゃあ、行ってくるから、真樹・・。」
「お兄ちゃん・・。」
「甲子園は?」
「んー、中村家の夢・・。」
「行ってくるから・・。」
相馬は真樹の手を握った。
そして二人は空港へ向かった。
「茜・・。」
「監督、おはようございます。」
「おはよう。」
「父さんもおはよう・・。」
「治療と合う姿として体の動きや食事療法・・。」
「地元ではシャドウピッチングを超スロー動画で見ることだけです。」
「それで、向こうの話と合致がいくだろう。」
「特に寒い地域です。・・中学時代の仲間の再会を本当はけがなしで会ってほしかった・・。・・僕はそう思います。」
「だから、僕には同級生として山口君の高校野球を支えたい・・。」
「そこにいつかの超えられない思い出があっても・・。」
「僕は高校時代の友人ですから・・山口君の・・。」
「じゃあ行きますか。」
なぜか山口は上機嫌だった。
「今度の発着便情報です。」
「夏の北海道での激励に感謝する間もなく故障..現在の治療法で投球した環境より8度以上下がった場所での投球トレーニング許可まで3ヶ月..。」
「北の大地に降りることさえストレスになりかねないタイミングでの地元訪問..。」
「康太、まだ早い。」
「再会の物語だよ。」
監督は言った。
「地元は99、7パーセント味方、後の0、3%は自分の努力の壁で超えらえないところ。」
「だから、心配するなよ。」
(いい人だ。)
茜は思っていた。キャプテンの言葉だった。
「お土産は横浜ラーメンのインスタントラーメンストリート部門と実力ナンバーワンの息子が継ぐアルバイトのコーヒー豆・・。」
「茜くんもいい人だな。」
キャプテンの上田は言った。
「あの僕らのこと忘れてません?」
中村と相馬が言う。
「実は彼の実家知らないんです。」
「夏の時に言ってくれればいいのに・・。」
「すみません・・。」
「なぜ謝る・・。」
監督は言った。
「やー、康太!、・・そして千葉ライアンの皆さん、お久しぶりです。」
「また、一年ぶりですかね、ラビットズカップで山口くんが千葉で活躍し、コールド負けを喫したなあ、でも、懐かしくて、心配で、俺達はもう・・。」
「私が敗戦投手です。」
「あっああ。」
「寒い..。」
中村は呟く。
「相馬さん、ツーシーム、また成長したんですって?」
「さっ中村くん、北海道はラーメンがおいしいよ、すぐ食べに行こう、そこで親交会といきましょうよ皆さん。山口君だっているし・・。・・ねっラビットズカップで一緒に戦った仲間じゃないですか..。」
「それもそうだ。」
「よかった。、さっ山口、中村くんいこ。」
「寒い..。」
中村は言った。
秘境の地は寒かった。
「新千歳空港に到着いたしました。」
「北し羅監督、お疲れ様です。」
「甲子園の山口くんよく来た。それに体調を崩していたテレビに出た君は横浜系ラーメン茜くんだな。」
「先日は北海道の方が来てくださりありがとうございます。」
「えっ茜..あれっ。」
「北海道へようこそ。」
中学時代の同期、相馬と中村は改め迎えた・・。やはりこの人にはこの仲間たちがあっている、そんな感覚を北海道に着いてから山口が変えたのを密かに感じていた・・。
一年の在籍と言えど、千葉で気づかなかった俺が少しばかり、恥ずかしい・・。
「なっ中村。」
「店、寒い・・。」
「何か、いいとこも無理するところも一緒なオールスターって感じですかね?」




