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3.こんにちは異世界!

投稿が3話だけだと思ったか!

残念だったな。書き溜めがあるのだよ(ドヤァ

えーっと、神様を脅迫してチートをもらった秋葉です。

まどろみの中でうつらうつらとしていたら、急に息苦しくなって叫び声を上げた気がします。


『おぎゃぁ、おぎゃぁ……』


そこでまた記憶が途切れました。


目を覚まして意識がハッキリした時には、真っ白なおくるみに包まれて、どこかに寝かされています。



『知らない天井だ……』



無事に生まれたようで、前々から言いたかったセリフを言ってみました。

声は出ないようなので心の中だけですが。



「∝%k#e'=+~?」


なにか聞き慣れない言語が聞こえてきました。

まだ少しぼやける視界を向けると、モデル系のすんげー美人が優しい表情でこちらに向かって来ました。


「fusd$'#pte∝ iu*fae!」


驚いたことにこの人、何の躊躇もなく俺を抱きかかえると、胸元をはだけ俺に押し付けてきた。

マジかよ!ラッキー!とか思った人、先生怒らないから挙手。


はい…… すみません、俺です。



最初はびっくりしたけど、よくよく考えて見ればこの人は、俺の母親か乳母って事なんだろうか?

もっと興奮するかと思ったけど、0才児に性欲なんて皆無なわけで、それよりも食欲のほうが勝りました。


どこか薄く甘い母乳を一心不乱に吸いながら、視界に入った自分の手に驚きました。すんげーちっさい。


って、この女の人スタイル抜群なのに、バストは俺の頭よりかなり大きい。

うん、目の前がオール肌色です。なんか知らんが圧倒的な存在感です。はい。



身体が小さいと胃袋も小さいのか、程なくして満腹になった俺は、再びまどろみの中に落ちていきました。


よく飲んでよく眠り、早く大きくなれよ。俺!




*************



 はい、あれから暫く経ちまして、現在は0.5才児になりました。

半年間食っちゃ寝してる場面を、延々と描写するのもどうかと思いますので、省略しますね。


この半年で色々とわかったことや、学んだことがあります。


まずは、俺の名前 『アーサー・セルウィン』 と名付けられました。

そりゃ四六時中、アーサー、アーサー言われれば嫌でも自分の名前だとわかります。


セルウィンは家名らしく、一度宗教家らしい格好をしたおっさんが、俺に祝福を授けるような儀式を行いに、俺の部屋にやって来ました。

その時に前後の文脈から、どうやらセルウィンが家名、つまり苗字だと判明しました。


あっ、そういえば俺に母乳を与えてくれたモデル系のお姉さん、やっぱり母親でした。

ディアナ様と呼ばれてまして、かわいいお子さんですねなんて、言われてましたよ。


いや~美人の母親とか憧れてましたから、なんかすごく嬉しいです。


前世で若い母さんが、授業参観に来るのを羨ましく思ってましたから、これだけでも転生して良かったと思います。

うん、単純とか罵ってくれて結構! それは持たざる者の羨望だよ……(ニヤリ


ごめんなさい、冗談です。物を投げないで……



そして現在、俺は火がついた様に泣き声をあげています。

だっておしめが濡れたままって、なんか人間の尊厳がねぇ。



「はいはい、アーサー様どうしましたか~?おしめかな?それともおなか空いたのかな~?」


俺の泣き声を聞いて、やって来たのがメイドのリーラですね。

部屋の内装から見てそれなりにお金持ちに生まれたらしいとは思ってましたが、メイドまでいるとなると、かなりいい所に生まれたようです。

うん、あの駄女神様、追い込んでおいて正解だった。


こちらも母様に負けず劣らず、メリハリの効いたわがままボディですが、性格が明るくて俺のことを弟のように接してくれます。

おかげで年頃の娘さんに、下の世話をしてもらう罪悪感が、だいぶ薄れましたよホント。


いや、これが口汚く罵られながらおむつを変えられた日にゃ、成長してから違う性癖に目覚めそうで怖いです。

そんな意味でもリーラには感謝ですね。



さて、下半身もスッキリ(・・)したところで、日課の運動と考察を始めるとしましょうか。


最近はだいぶ身体が自由に動かせるようになってきまして、寝返りやら上半身を起こすことができるようになってきました。

焦る必要はないと思いますが、早く自立したいと思っていますので、体を動かす事を毎日の日課にしています。


こないだは、腹筋を鍛えようと思って足を持ち上げたり、上体を起こそうと頑張りましたが、身体が丸みを帯びているせいか、結局コロコロ転がってしまいました。

まあシックスパックの乳幼児とか、悪夢以外の何者でもないので、今はあちこち体を動かして体づくりに励んでおります。


リーラは、おしめの処理を終えて戻ってきたらしく、片隅で本を読みながらこちらに時折優しい視線を向けてくれます。

いやこの前、運動をしていたら変な体勢で動けなくなっちゃって、慌てて鳴き声を上げて助けを求めた事がありまして、それ以来なるべく運動は人目がある時にしています。


あの時はマジで息ができなくなって、女神様の所に危うくリターンしかけましたよ。


時間の感覚が曖昧ですが、飽きるまで体を動かしてから、一眠り。

そして、食欲の欲求に負けて鳴き声を上げましてミルクをもらい、次のサイクルでは勉強のお時間です。


意識を集中させて、思い浮かべると視界の中にステータスウィンドが開きます。

これが、モザイク兄さんから貰った恩恵スキルの一つ。『真理の目』の使い方のひとつですね。


天界でこれを授かった時は、猛烈な痛みとともに目から流血しまして、大変なことになりました。


それによると今の俺のステータスはこんな感じです。


アーサー・セルウィン (0歳)

体力 :10/10

魔力 :5/5

攻撃力 :1

防御力 :2

素早さ :1

状態  :通常


スキル :真理の目 限界突破 記憶の泉

功罪、称号 聖杯を受けし者 女神の祝福


っと、なっております。


まあ、乳幼児なんでこんなもんでしょう。

俺としては最初っからバグったようなステータスを期待したんですが、赤ん坊がいきなり最強だったら大変なことになります。

赤ん坊は、保護者なしでは行きられないのです。


ほら、背中に鬼飼ってる人じゃないんだから……



最初にこのステータスを開いた時は、あまりの低さに絶望しかけましたが、これでも結構頑張ったんです。

体力と魔力が3、残りの数値がオール1って状態から、半年でここまで引き上げたんです。


どうも、この成長は『聖杯を受けし者』の効果みたいです。

天界で最初に確認した時は、こんな称号は無かったんですが、どうやらモザイク兄さんと呑んだことが、称号になったようで……


身体を動かせば、着実に体力値が上がっていってます。

比較対象がないので、比べようもありませんがとりあえず、結果オーライですね。


これで自由に動き回れるようになれば、もっと上がり幅も大きくなるでしょう。


ああ、それから真理の目を授けてもらった時に、聞いたんですがこの世界にはレベルの概念は無いそうです。

なのでモザイク兄さんがとりあえず、その人の持つ能力を数値化・情報化して見えるようにしてくれたらしいです。


ただ、神様の言うことにゃ、あくまで参考値として見てねと言われました。

システム(・・)の関係上、小数点以下は表示できないし、人間の精神力や生命力は、そもそも数値化に向いていないとのことです。

まあ、過信するなってことですね。



さて、本日もお勉強タイムと行きましょうかね。

もう一つ授かったスキルの、『記憶の泉』は、前世と現世での知識や短期記憶で覚えていた雑多な情報を、自在に引き出せる能力です。

ほら、内政チートとか憧れるじゃないですか。男の子なら。



でもね、やっぱりこの世界には、何でも調べられる四角い箱は持ち込めないので、自分の脳みそをフル活用するしか無いわけですよ。

このスキルのおかげでこの世界の言語も、大分わかるようになってきました。


周囲でかわされていた言葉をスキルで思い出して、覚えている言葉と比較、同じ語彙や文法を考えます。

うむ、やっぱりデータは大切。この勉強のおかげで、だいぶ言葉を理解できるようになってきました。


まあ、声帯が発達していないので、まだ喋れませんが……



今日のノルマの勉強を終えてから、ここしばらくかかりっきりになっている難問に向かいましょう。

ステータスを説明した時、魔力も増えたって言いましたよね。


実は、リーラがおむつを取り替えてくれる時に、風魔法でおしりを乾かしてくれるのです。

最初はドライヤーか何かかと思ったのですが、夜はランプを灯すような文明の中で、ドライヤーなんて電化製品あるわけ無いんですよ。


それで、真理の目を使ってリーラがおしりを乾かしてくれている場面を観察すると、どうやら風魔法らしいとわかったんです。

いや~、自分のステータスを見るのは簡単なんですが、他人のスキルや魔法を見るのには魔力が必要みたいで、かなり大変でした。


意識を集中させて風魔法を解析しようとした時、突然ブラックアウトしたみたいに、気絶しちゃいましたから。

ハッと気づいたら、すでにおむつは換え終わってまして、いやはや人生で初めての挫折ですよ。

まだ、生後半年ですけどね。


それで、何度か失敗を繰り返しているうちに、魔力が増えて何とか風魔法の解析は出来たんです。

そして今に至る訳なんですが、この風魔法の発動や再現がえらく難しいんです。


ラノベの主人公とかだと、イメージでパパッとできちゃったりしますが、現実にはそう上手く行きません。


なんとなく発動っぽい感じにはなるのですが、身体から魔力が抜ける感覚がするだけで、まだ発動できてないんですよね。

そうこうしているうちに、魔力切れで強制睡眠の世界へレッツゴーです。


どうやら、今回もダメみたいでした……


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