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29.魔法って難しい!


器物損壊、前科一犯のアーサー君です。

いやはや、気合入れて作るとか言ってましたが、気合い入りすぎでしょこれ。


「いや、おかしい。魔力を込めてるって言っても、これほどまで威力が上がるなんて、聞いたことがない」


鎧の切断面と切断された壁を見ながら、エルモさんが呆れたようにつぶやいています。

おい製作者、責任放棄すんなよな。



え~っと、結論から言いますと、本日のアルバイトは中止になりました。

さすがに壁を放置したままには出来ないってことで、職人さんを呼んで修理するそうです。


領主館に向けててくてく歩きながら、この空いた時間をどうするかを考えます。

まるっと午後が空いちゃいましたからね。有効活用しないともったいないですよね。


モチロン俺の腰には、おっかない威力の脇差しが挿されています。

なんでしょうね?俺は日本刀を注文したはずなのに、出来上がりが斬鉄剣とか、異世界ハンパねぇっす。


いや比喩じゃなくて、たぶん魔力の量を調整すれば鉄の棒を両断とか楽勝だと思います。


ちなみに父様の剣も完成しているそうですが、そちらは店主のおっさんがお届けに上がるそうです。

なんでも、接見してお墨付きの認可をもらおうと画策しているみたいですね。


商売する上で箔づけって大切ですからね。俺からは何も言いません。

あとはエルモさんの技術と、おっちゃんの商売の手腕に期待です。



さて、屋敷に到着した俺は、しばらくできなかった魔法の練習をしようといつもの練習場に赴きました。

水の流れとか木陰があってやっぱり、ここは落ち着きますね。



黒焔狼との戦いで得た教訓は色々とあるのですが、なかでも探知魔法をもっと強化できないかということ。

それに攻撃魔法のバリエーションやら威力を増やしたいって所ですね。


いや、単独でAランクの魔物と対峙するとか、もうゴメンですが同じ状況に陥らないとも限りませんから。

その時に何の手段もないんじゃ、また苦しい戦いになってしまいます。


剣術や体術に関しては、朝夕の騎士団での稽古でかなり揉まれてますから、順調に成長中です。

まあ、毎回ダリルさんにコテンパンされてるんですがね……



はてさて、時間も限られていますから、早速とりかかりましょうかね。


まずは探知魔法ですね。

この魔法は前世で言えばソナーに近いもので、全周囲に薄い無属性魔法を飛ばして、反射波で相手を感知するんです。

問題は魔力の減衰が早いので、それほど遠くを探知できないんですよね。


もっとも洞窟とかダンジョンなんかの、狭くて見通しの効かない場所での使用を前提にしているので、それでもいいらしいです。

ですが早く敵を見つけられるのは、生存率の向上にもつながりますし、もし探知距離が長ければもっと早く、エリカを発見できたんじゃないかと思うのですよ。


ですが長い距離を探知しようと魔力を強めれば、魔力が顕在化して不可視じゃなくなるんですよね。

薄い金色の魔力が全方位に走るとか、それなんて超野菜人?って感じです。


なのであらかじめ考えていた通り、やり方を変えてみます。

探知距離が短いのなら、数でカバーすればいいじゃない。


俺は四方に魔力の糸を伸ばす感覚で、魔力を走らせました。

なるべく目立たないように、薄ーく細ーく伸ばしていって、その先で魔力が感知できるようにコブを作ります。


うへぇ、かなりムズい……



少し油断すると糸そのものが太くなって顕在化したり、魔力溜まりのコブが破裂しますね。

なんとか四方に糸を走らせて、その先端のコブから貯めた魔力を放出させていきます。


ぐほっ、これもムズい。

魔力を放出するタイミングがズレると、先に到達した波に干渉して、探知目標がブレたりダブって感じられます。


何とかコツを掴んで、均等に魔力が放出できるようになると、だいぶ周囲の様子がつかめるようになりましたね。

少し広い場所に移動して魔力波を出せば、魔力の大きさで大体の場所が判るようになりました。


あっ、草原でウサギが動いてるな。


ちょうどいいので、晩のおかずに調達することにしましょう。



ウサギの方向へ同じように魔力の糸を飛ばして、先程の探知と方向をリンクさせていきます。


よし、魔力の糸がウサギと合わさり、これで射撃準備が完了です。

これは魔力探知を応用した、レーダーとレーザーポインターを合わせたような、便利な照準魔法ですね。

レーザーポインターは方向を示すだけですが、魔力で方向を示せば魔力が当たった瞬間にそれとわかります。

その瞬間に撃てば、ある程度の補正もかかって百発百中ですよ!


魔法は想像力っていいますけど、ホントに何でもできちゃいますね。


無属性の弾丸をいつものように撃ち出して、魔力弾が正確にうさぎの首筋を撃ち抜きました。


糸の先端でもう一度魔力を放出すると、ウサギの発していた魔力は消えていますね。

どれ、獲物を回収しに行きましょうか。



とりあえず、魔力探知で集中力を使ったので、休憩を兼ねてウサギを血抜きしてから調理場に持っていきます。

この世界のウサギって、俺と同じぐらいの大きさがあるんですよね。


案の定、ウサギを持って行ったら調理人とエリーナさんが驚いた顔で、それを受け取ってくれました。

今夜はごちそうですね!



さてと、再び練習場に戻ってきました。

広域探知魔法は、もう少し慣れないと集中力が途切れるとあっという間に精度が悪くなります。練習あるのみ!


もう一つの課題、今度は攻撃魔法の強化です。

こっちは、少しづつ手探りしながらのテストなんですよね。


まず思ったのは、属性魔法って効果がイマイチなんですよ。

いや何て言うか、俺の想像力が欠如しているのかな?


火魔法は、圧縮して爆発力を伴ってもやっぱり炎ですし、水魔法も氷の塊をぶつける物理的な威力なんですよね。

なんかせっかく魔法っていうステキ能力なのに物理を越えられないとか、残念で仕方ないっす。



そんな訳で物理を越えられないなら、そっち(物理)の方面に突き抜けてやろうかと考えたんですね。


さてと一発目は風魔法です。

ただし、限界まで圧縮した風魔法の粒を核にして、その上に無属性の魔法でコーティングしてやります。

それをいつものように、無属性の銃身から発射します。


ボスン!ズン! 惜しい、無属性のコーティングが厚すぎたようで、着弾してから爆発したみたいですね。

もう一度、今度はもう少しコーティングを薄くして……


あぐぅ…… 今度は薄すぎて外殻が意味をなしてません。



もう気づいた方もいると思いますが、俺が再現しようとしているのは、いわゆるグレネードランチャーです。

圧縮した風魔法を爆薬代わりにして、無属性の破片を撒き散らすという極悪な代物っす。


でも、このくらいの威力がないと、黒狼クラスの相手に無双とか出来ませんからね。


…… ズズン! おお、今度はいい感じに炸裂したみたいです。



…… ズズン! ズズン! どわっ! あっぶね~、ちょっと近づきすぎました。

無属性の破片が飛んできて、危なく怪我をするところでした。


これ、使用半径とか魔法のサイズを変えれば、色々と応用できそうですね。





よっしゃ、次の魔法行ってみよう!


今度は構造が複雑なんで、イメージが大変です。

むむむ、火魔法の起爆装置と、同じ要領で炸薬代わりの圧縮火魔法―― それを筒状の無属性の容器に入れて……



だーっ! 複雑でこんなん無理だわ!


俺はいったん魔法を消して、頭を抱えてジタバタします。


落ち着け、落ち着くんだ俺!


とりあえず深呼吸して落ち着いた俺は、イメージを固めるために地面に枝を使って魔法の図を書いていきます。


「ここが点火用の信管で…… こっちが炸薬で……」



「アーサー様、何を書いてるんですか?」


「ん? 新しい火魔法の構造なんだけど、難しくてさぁ」



……あれ?今、俺誰に話しかけたんだ?



どわっ! リーラいつの間に現れた!!


「って、びっくりしたー! どうしたの、リーラ?」


俺の上から覗きこむように書いた図面を見ながら、リーラさんがニコニコしてます。


「いえ、さっき母様からアーサー様がウサギを仕留めてきたって聞いて、多分ここだろうなと」


「ああ、うん。さっき魔法の練習ついでに仕留めたんだ」


いや、しっかしモーリスといいリーラといい、こうも容易に接近を許すとは何者なんだろう。



「なんだか魔法らしくない絵ですけど、ホントに魔法になんですか?」



そりゃ、円筒形に屋根を付けたみたいな形で、「これが魔法です!」って言われても信じられないか。


「まあ、信じられないと思うけどね。それじゃ、もう一回やってみますか!」


しゃがみこんで図を書いていた俺は、パッと立ち上がって魔法を試そうとしますが、頭に何かぶつかります。

ええい、なぜリーラの胸は、いちいち俺の行動を妨げるんだ。


ポヨンって効果音が頭の上で鳴ったぞ。おい。



気を取り直して、俺は改めて集中していきます。


円筒形の筒とその中に炸薬の火魔法を込めて、円すい形の蓋と先端……最後に信管の火魔法。


よし、出来た!


俺は横目でリーラの位置を確認すると、すでにいつぞやのお漏らしの木に隠れて、顔を半分だけこちらに見せています。

あそこなら爆発の衝撃は及ばないでしょうね。俺は普通の発射方法で、完成した魔法を撃ち出しました。


チュドーーン!!!


シュルシュルと、目で追えるぐらいのスピードで飛んでいった魔法は、ピカっと炸裂したと思ったら、ものすごい音と衝撃波が襲ってきます。

木々が揺れて、爆風が吹き荒れ、池の水が波立ってます。


十分距離を離したと思ったのですが、それでも足元に小石なんかが飛んできました。


やっべ、またやり過ぎたかもしれません。


あっ、なんだか屋敷の方が騒がしくなってます。


さすがにあれだけの爆発が起きれば気づくでしょうね。



いやはや、こりゃまた弁解が大変だわ……



そう言えばリーラは大丈夫だったかな?



あぁ、また口をパクパクさせながら、真っ白に燃え尽きてますね。

うん、でもリーラも成長したのかな?乙女の尊厳は失われていないようです。


とりあえずリーラは放っといて、まずはこっちに向かってくる人達に、事情を説明しましょうかね。





アーサー・セルウィン (3歳)

体力   :107/107

魔力   :210/210

攻撃力 :81

防御力 :48

素早さ  :50

状態  :通常


スキル :風魔法(中級) 火魔法(中級) 水魔法(中級) 聖属性魔法(中級) 無属性魔法(上級) 剣術(中級) 複合魔法(初級)

     

      真理の目 限界突破 記憶の泉 武道の心得 剣術の理合(new!!) 魔法の真理を探る者(new!!)


功罪、称号: 聖杯を受けし者 女神の祝福




ごめん、予約投稿ミスってた(´・ω・`)


ホントは昨日の夜、更新予定だったの……

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