元気ですかぁぁ!!!
目の前に倒れている少年を見つめた。
・・・ん?少年・・・なのかな?女の子みたいな顔だな。いや、でも男にも・・・まあ、神様が言うなら男なんだろう。
髪が腰の辺りまであるから女の子にも見えるその子は人間ではなかった。
獣人?ってやつなのかな。
髪は真っ青て耳も尻尾も青い。
尻尾の形を見る限り犬型の獣人なんだろう。
とりあえず、起こそう。
揺らしてみた。結果起きない。
叩いてみた。起きない。
耳をかじってみた。あっ♪こりこりしていてなかなか・・・じゃなかった。
起きない。
よし!最終手段。大きく息を吸って・・・・・
[元気ですかぁぁ!!!]
ーバサバサバサッ
周りの木々にいた鳥たちが一斉に飛び立った。
少年は起きた。
耳をおさえてうずくまっている。
なんで、アント○オか?
なんとなく大音量で声が出せそうだったから。
「うう。耳がぁ。」
・・・ちょとやりすぎたみたい。
まだ痛そうに転げている。
[あなたがレイ・・であってるよね?]
☆☆☆
気が付いたら真っ暗な闇の中にいた。
あれ?どうしたんだっけ?
確か必死に逃げて・・・
「レイ。」
呼ばれて顔をあげると、真っ白な髪の青年がいた。
「シロ兄!」
ファー付きの真っ白なコートを着た青年の名前を呼んだ。
「僕どうしたの?何があったの?ロイ兄は?」
シロはゆっくりしゃがんで青い目を合わせてきた。
「いいか、レイ。生き抜くんだ。決して人生を諦めるんじゃ無いぞ。生きてさえいればいつかロイにも会える。」
そういうとシロこと、氷の神は笑った。
疲れたような笑顔だった。
「なに?どうしたの?どうしてそんな事をいうの?」
「いまのお前は前のお前じゃ無いんだ。それを頑張って受け入れるんだ。」
「どういうこと?」
「見てろ。」
そういうとシロは振り返って手をかざした。手から白い光が放たれ雪の結晶の形をした鏡を作り出した。
「これがいまの君の姿だ。」
そこには青い髪を腰まで垂らした少年が立っていた。特徴的だった前の尖った耳はなくオオカミのような耳が生えている。そして、下半身もオオカミのそれだった。尻尾もユラユラゆれており、それらは全部髪と同じ青色だった。
「な、なんで?僕・・どうしちゃったの?」
「それも生きていればいつかわかる。この姿でも生きていけるよな?」
「・こんな姿・・自信ない。」
「大丈夫。仲間が助けてくれる。」
「仲間?」
「ああ、僕の仲間だよ・・・っと、仲間に合流出来たようだな。じゃあな。」
そう言ってシロは歩いて行ってしまう。
「・!!・・シロ兄まっ」
シロを呼び止めようとしたところ。
[元気ですかぁぁ!!!]
いきなり鼓膜を突き破らんばかりの大声が耳元に発せられた。うう、耳がぁ。
[あなたがレイ・・であってるよね?]
目の前にいたのは目も毛もシロにそっくりな子オオカミだった。