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氷の神獣 青の獣人  作者: ナツツバキ
外界育ちの獣人
2/5

着地

天界から下界に落ちていく自分の神獣を見送った。

何か叫んでいるような気がするが気にしない。というか気にする余裕がなかった。




「はあぁ。バレるかと思った。」




バッタリと床にひれ伏した。


「あー、床冷たーい」

氷で出来ているのだから当たり前だがそんなことを一人でつぶやいていると


「"氷"!アンタなにしちゃってんの!!」


バタバタと足音がして巫女服に黄緑色の扇子を持った女性が姿を現した。


「やあ、"風"。」


「やあ、じゃないわよ!おまけに何ぶっ倒れてるの!」


風が慌てて近づいてくると、



ーバタバタバタバタ



「氷さん!」


「お兄ちゃん!」


ふたたび足音がして二人の女の子が来た。最初の方は"草"で若草色のワンピを来ていて、二人目は"水"で水着の上に薄くて長い布を巻いている。寒くないのか?氷の宮殿だぞ。


「氷さん大丈夫ですか?」


「お兄ちゃん、大丈夫なの!?」


三人の女子に心配そうに覗きこまれた。

「大丈夫だよ。みんなありがとう。」

なんかハーレムみた・・・


「おい!氷!」


「何してるんだアホ!」


さらに二人の男子が加わった。

"火"と"土"だった。

そして、最初は心配そうな顔をしていたが俺が女子に囲まれているのを見ると一気に目の光が消えた。


「なあ土よ。」


「なんだ火よ。」


「あいつは我々の敵かと・・・」


「やはりお前もそう思うか・・・・・・・よし!」


「「倒すか♪」」





ーゲシゲシゲシゲシ




「ちょっと待って下さい!弱っている人にひどくないですか!?」


「うるさい。自分で言うな!(くそ、イケメンになりやがって。)」


「なんで兄弟でお前だけイケメンなんだー!」


しばらく兄弟からの嫉妬の攻撃を受けていると、


ードドドドッ


まさかこの足音は・・・


「氷く〜ん!大丈夫!?」


俺の隣に立って踏みつけていた兄弟達は俺の上に飛びついて来た新たな女性に突き飛ばされ反対側の壁に埋れた。


・・・生きてるよな?


ちなみに俺にひっしりとしがみついているのは"闇"のみんながお母様と呼んでいる人物である。

黒の細身のロングドレスを着ている。



ちなみに女性方は避難済みだった。


「・・・これでも急いで来たのだが・・・」


「あら、あなた。」


最後に登場したのが"光"のお父様だローマ人のような格好をしてる。


やっとお母様が離れてくれた。


これで、氷、風、草、水、火、土、闇、光の全属性の神が集まった。ちなみに雷は神獣しかいない。



ーフミッ



「・・・ふぎゅ。」


「ところで、下界でアホな事をした氷の息子を叱りたいのだが、誰か知らぬか?」


「・・・はい、今はお父様に踏まれています。」


「ふむ、そうか。」



ーフミッフミッ



「ふぎゅっふぎゅゅー」


何かを確かめるように腰と背中を交互に踏まれた。


「・・・お父様、お兄ちゃんで遊ばないの。」


「そうか・・・・・・よし、ふざけるのは終わりだ。」







一気にみんなの顔が暗くなった。



「真面目な話をしよう。氷。」


「あ、あいつは悪くない。」



「ああ、彼は悪くない。だが、彼は死ぬ運命だったのだ。」




「嘘だ!俺はちゃんと確かめた。あいつは普通に人生を過ごすはずだった!」



「・・・」


「俺は、確かめた。」



一言ずつはっきりと言った。



「・・・だがお前が彼の運命を捻じ曲げたのも事実だ。お前は7歳児に自分の神力を分け与えた。何億年も生きてるお前が神力不足でぶっ倒れるほどの量を、だ。7歳児に神力を抑えつけるほどの力は無いぞ。暴走したらこの世界は終わりだ。」




「・・・サナがついている。」




「一年しか生きていない神獣頼みか?それこそ抑えられるはずが無いだろう。」




「やってみないとわからない!」



「なんて自分勝手な神様なんだ、お前は。お前のお気に入りのためにものすごい数の命を危うくさせるのか。」




「・・・・・・」




「・・・神力を取り返して来い。頼むから、私に天界追放などと言わせるなよ。」


そういうとお父様は帰って行った。


「お兄ちゃん。」


「・・・・・」


結局みんなも帰って行った。



「・・・天界追放・・か。」


ポツリとつぶやいて昔、天界追放を受けた人を思い出した。


サナを一人になんかしない。レイも殺さない。この世界も壊さない。


わがままだけど、レイに神力を渡したのもわがままだった。


「だから、わがままは最後まで通させてもらうよ・・・」


氷の床に仰向けになって笑った。



「・・・レイの運命を変えた人。」





☆☆☆





ーー1000メートル


緑の森がだんだん迫ってくる。



ーー500メートル



痛いだろうな。ていうか死んじゃうだろうな。


さようなら第二の人生。


たった一年とはなんとも短かった。



「氷の神獣 青の獣人」

お・わ・り・♪♪











・・・にならなかった。


バサバサ!バキッ、ボトッ



クレーターらしきものが出来たけど無事着地?


[うわー、神獣って何万メートルから落ちても怪我しないんだ。]



化け物だったお陰で死ななかった。



[・・・化け物って運もいいのかな。]



目の前には少年が倒れていた。











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