第2話:「影に潜む、過保護な悪魔」
1話目を読んでくださり、ありがとうございます!
ついに愛梨の前に姿を現した悪魔執事・ベリト。
麗しい見た目とは裏腹に、彼はかなりの「過保護」で「独占欲」が強いようで……?
横浜の街中で繰り広げられる、一人と一柱(?)の噛み合わない(?)放課後をお楽しみください!
右手に残る、熱くて冷たい唇の感触。
跪いた銀髪の男——ベリトの紅い瞳に見つめられ、私は息をすることさえ忘れていた。
「お迎えに、上がりました」
その言葉が頭の中でリフレインする。
一瞬、脳裏を過ったのは、見たこともない豪華なホールの景色。跪く大勢の執事たち。そして、私の左手の薬指に光る、あの赤い指輪のビジョン。
「……あ、今の、何?」
「……主様? いかがなさいましたか」
ベリトが心配そうに顔を覗き込んでくる。その端正な顔が近すぎて、私は慌てて一歩下がった。
「と、とりあえず! 私、もう帰らなきゃいけないから。……ついてこないでね!」
私は鞄を掴むと、逃げるように図書室を飛び出した。
夕暮れの横浜。いつもの通学路。
冷たい風に当たれば、今の変な幻覚も、目の前に現れた悪魔も、全部夢だったと思えるはず——。
「愛梨様。そんなに急がれては、転んでしまいますよ」
「ひゃああっ!?」
すぐ隣から聞こえた声に、心臓が飛び出しそうになる。
横を見ると、そこには影のように音もなく並んで歩くベリトの姿があった。
「な、なんでついてくるの!? 人に見られたらどうするのよ!」
「ご安心を。私に許可された者以外、今の私の姿を見ることはできません。……それよりも」
ベリトの瞳が、ふっと険しく細められた。
彼の視線の先には、駅前でたむろしている柄の悪い男たちが、こちらを値踏みするように見ていた。
「主様の清らかな視界に、あのようなゴミ屑を映すわけには参りません。……今すぐ、この街ごと消し去りましょうか?」
「ダメに決まってるでしょ! 物騒なこと言わないで!」
私はベリトの服の袖を慌てて掴んで、駅の方へと急いだ。
……けれど、掴んだ瞬間に気づいてしまった。
いくら引っ張っても抜けない。
いつの間にか、私の左手の薬指には、図書室で拾ったはずのあの赤い指輪が、まるで体の一部のようにぴったりと嵌まっていたのだ。
「……うそ、抜けない……」
「それは、貴女が私の主である証。そして——」
ベリトは立ち止まり、私の耳元に唇を寄せた。
とろけるような甘い声が、背筋を駆け抜ける。
「……誰にも貴女を渡さないという、私からの『印』でございます」
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
ベリト、早速やってくれましたね(笑)。
街ごと消そうとするなんて、主様への愛が重すぎます……!
そして、ついに指輪が抜けなくなってしまいました。これでもう、愛梨は彼から逃げられないのかも!?
次回はいよいよ、愛梨のプライベートな空間(お家)にまでベリトが……?
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愛梨とベリトの運命を、これからも一緒に見守ってください!




