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その執事、『悪魔』。命綱は女子高生。  作者: 櫻 愛梨
第一章「放課後の図書室、赤い指輪の誘惑」
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第9話「夕闇に溶ける契約の味」

いつもお読みいただきありがとうございます!

第1章もいよいよ第9話。物語は後半戦へ突入です。


少しずつ明かされていくベリトの本心と、二人の距離感を楽しんでいただければ幸いです。

「……愛梨様、あまり根を詰めてはいけませんよ」


 耳元で囁くようなベリトの声に、私はハッとして顔を上げた。

 横浜の街がオレンジ色に染まり、部屋には長い影が伸びている。いつの間にか、放課後の図書室で、私は古い文献――あの日、彼と出会うきっかけになった、あの不気味な本を読み耽っていたらしい。


「あ、ごめん。つい……」


 こすった目が、少し熱い。

 すると、ベリトが音もなく私の背後に立ち、その細く長い指先を、私の瞼の上にそっと添えた。


「っ……冷たい」

「ふふ、お疲れの瞳には、これくらいが丁度良いでしょう?」


 彼の指から、わずかに闇のような、それでいて心安らぐ魔力が流れ込んでくる。シバシバしていた目の痛みが、嘘のように引いていく。


「ねえ、ベリト。私、たまに怖くなるんだ。あなたがこうして側にいてくれるのは、私の『命』と引き換えだからなんだって」


 私の指先にある「魔王の心臓」の指輪。これがなければ、私はあの日、命を落としていた。

 ベリトは私の手を優しく取り、その指輪の宝石に、恭しく唇を寄せた。


「……勘違いしないでください、愛梨様。私は契約だけに縛られているのではありません。私は、私の意志で、あなたという『命綱』を握っているのです。あなたが消えれば、私の存在もまた無に帰す……。あなたは、私にとって唯一無二の存在なのですよ」


 眼鏡の奥の瞳が、夕闇の中で妖しく赤く光る。

 その視線に射抜かれ、私は心臓が跳ねるのを感じた。これが指輪のせいなのか、それとも、目の前の「悪魔」のせいなのか――。


「さあ、お帰りになりましょう。今夜は、あなたの好きなイチゴのタルトを用意させましたから。……美味しいものを食べて、ゆっくりとお休みください。あなたの健康を守るのも、私の大事な務めですので」

第9話、いかがでしたでしょうか?

ベリトの指先から伝わる魔力……私も今、彼にドライアイを癒やしてほしい気分です(笑)。


おかげさまで、累計PVが117を突破いたしました!

本当にありがとうございます。

皆様の応援が、執筆の何よりのエネルギーになっています。


第1章・全12話の完結まであと少し。

最後までお付き合いいただけると嬉しいです!

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