6話~王国兵士たちを再教育する事にしました~
フォーランド海兵たちの手伝いもあり、船着き場の修繕作業は1週間で終わった。
そして今、エナは王宮でスティアナとにらみ合っていた。
「フォーランド海兵に教育をするべきです!!」
「勉強とかやる必要性が分からん。やりたきゃやれば良いじゃろ?」
「王妃じきじきに全員に学ぶよう仕向けてくださいよ!」
「わらわが勉強嫌いじゃからなぁ~……。だけどやるなら城内の会議室は貸してやる!
後はお主で勝手にせい。わらわはこれから砂浜で"かいがらアート"を作るのに忙しいんじゃ!!」
そう言うとスティアナは王宮を出て行こうとする。
「待ってください!! 貴女も―――」
エナの言葉を待たず、またしてもスティアナは逃げてしまった……。
* * *
仕方なくエナは王宮の1室を借り、海兵1人1人に声を掛けて勉強会の出席を促した。
すると参加者は思ったより多く、エナは少し胸をなでおろす。
「では、みなさんに常識や字の書き方、道徳の勉強を行います!」
「わーわー!!」
「ひゅーひゅーーー!!」
「エナ可愛いぞーーー!!」
「こっち向いてーーー!!」
……なんかノリが思ってたのと違うんだけど。
「う……うん。まずは勉強会なので、みなさんお静かに」
エナが注意すると、海兵たちは渋々静かになった。
「んで、勉強会って何すんだ? エナに色々出来るって聞いてきたんだが?」
……色々!? 何それ怖いんだけど???
「い……いえ! 色々は出来ません!!」
「はぁ!? 詐欺じゃねぇか!!」
「詐欺じゃありません! 誰ですか、そんなこと言ったのは!!」
言うエナに、1人の海兵が手をあげる。
「い……いや、だって、エナと仲良くなる方法って……」
「仲良くなる方法で、なんで色々出来るって話になるんですか!!」
「仲良くなったら彼女になるじゃねぇか!! そしたら何でもできるだろーーーが!!」
「出来ません!! そんなこと言ってるから仲良くなれないんです!! って、思考回路が海賊のままじゃないですか!!」
「ぶーーー! ぶーーーー!!」
海兵……いや海賊どものブーイングは止まらない。
「やかましい!!!」
エナはついに大声を張り上げた。
「まずは、彼女の前にお友達からです! 女性に男性が安易に触るのも、常識的にはありえません!」
「はぁ!? じゃあ俺たちのムラムラはどうするんで!?」
「……そういうのは我慢するものです」
「ええええ!!」
「その……仲良くなって女の子が気を許したら、手くらいなら多分繋げますから……」
「面倒くせぇ!」
「はい! 今ので嫌われました!!」
「厳しいわ!!」
「待てよ!! 茶々入ればっかしてねぇで真面目に聞けや!!」
ここまで来て、1人の海兵がなぜか真剣にメモを取っており、そいつが騒ぐ仲間を窘めた。
「あん? おめぇ、何真面目ぶってんだよ?」
「お前、こんなんじゃいつまでたっても可愛い彼女できねぇぞ!! いいのか? おおん?」
「彼女は……ほしい……」
「じゃあ黙って聞けや!!」
その一喝で場が静まる。
「ではエナ先生お願いします!! ナンパ道教えてください!!」
「ナンパじゃありません!!!!!!!」
読んで頂き、ありがとうございます!
今回は初めての試みとして、“ギャグ特化”の作品に挑戦してみました。
これまでのように「書きたいものを書く」ではなく、
「読んでくださる皆さんに楽しんでもらいたい」という想いで仕上げています。
もし少しでも「面白い」「続きが気になる」と感じて頂けましたら、
ぜひブクマ・リアクション・レビュー・感想で教えてください!
それが次の執筆の大きな力になります✨
※もし反応があまり良くなければ、今後の方向性の判断材料にもさせて頂くつもりです。
そのため、ちょっとだけ厳しめの評価も感謝しながら受け止めます!
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この作品は全27話構成で、毎週火・木・土に更新予定です。
(時間は固定ではありません)




