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女聖騎士、赴任先がよりによって海賊国家でした  作者: なぎゃなぎ


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5/12

5話~なぜか私が船着き場の修繕をしています~

挿絵(By みてみん)

エナは一旦城に戻ると、デッキブラシやバケツを持って港へと戻り、おもむろに清掃を始めた。

泥やカビで隠れていたが、掃除を進めるほどに改めて「ここがどれほど汚く、腐っているか」が浮き彫りになる。


聖騎士の仕事って、こんなことじゃないのに―――。


あまりに惨状を放置するフォーランドの現状に、エナの胸は少し悲しくなっていた。


国を代表する王妃は型破りすぎて、何を考えているのか分からない。

国を守る海兵たちは、まるで海賊のように粗雑で汚らしい。

港も街もすべてが痛んでいるのに、誰も直そうとしない。


……けれど、国民の笑顔だけはジールド・ルーンよりも魅力的に感じられる。


* * *


港の床をデッキブラシでこすり、水で泥を流す。

続けて雑巾で拭いていると――


サワッ。


突然、お尻に触れられる感覚。


「きゃあっ!」


エナはすかさず立ち上がり、犯人を睨む。

昨日スカートをめくったあの海兵だった。

周りにも仲間が数人。


エナは腰の剣に手をかけ、戦闘態勢を整える。


「ちょちょちょ! 待ってくれ!!」

海兵が慌ててエナを制止する。


「なんなんですか!」


「い……いや……手伝おうと思って……」


「はぁ!? 手伝うのにお尻を触る必要がありますか?」


「いや……本当にごめん! 許してくれよ、手伝うからさぁ!」


「手伝うって、本来あなた方が―――」


そう言いかけたエナの視界に、腕まくりをした男たちの腕が映る。

傷だらけだ。いや、治った跡だ。

しかし所々は膿み、変な塞がり方をしている。


「な……なんでそんな怪我を放置しているんですか!」


エナは駆け寄り、海兵たちの腕に神聖魔法を施し始めた。

1人1人丁寧に、水で洗い流しながら。


「をををを!!」

塞がっていく傷を見て、海兵たちは歓声を上げる。


「この国には回復できる奴はいねぇからな。すげえよ、嬢ちゃん!」


「回復魔法がなくても、民間治療でなんとかなるでしょう!?」


「みんなガサツだからなぁ~……バカーナさんも『唾つけとけ』って片づけてたし」


「そんな……」


傷を治した海兵たちは次々と船着き場の掃除に加わり、板を運んできて腐った場所を補強し始めた。


「わりぃな……俺たちは、あんたと仲良くなりてぇんだよ」


「仲良くなりたいなら、セクハラは逆効果だと思いますけど……」


エナは首をかしげる。

この人たちは、もしかしたら接し方を知らないだけなのではないか――そんな疑問が心に芽生える。


前任のバカーナはあの調子だった。

王妃スティアナは言うまでもなく自由奔放。

ならば彼らは、ただその環境で育ち、誰にも教わらずに生きてきただけなのでは?


「あんたみたいな綺麗なねぇちゃんと、どうやれば仲良くなれるんだよ?」

別の海兵が聞いてくる。


「普通にしてくれれば……」


悪気のない彼らの無礼に、エナはどう答えるべきか逆に悩み始めていた。

読んで頂き、ありがとうございます!

今回は初めての試みとして、“ギャグ特化”の作品に挑戦してみました。

これまでのように「書きたいものを書く」ではなく、

「読んでくださる皆さんに楽しんでもらいたい」という想いで仕上げています。

もし少しでも「面白い」「続きが気になる」と感じて頂けましたら、

ぜひブクマ・リアクション・レビュー・感想で教えてください!

それが次の執筆の大きな力になります✨


※もし反応があまり良くなければ、今後の方向性の判断材料にもさせて頂くつもりです。

そのため、ちょっとだけ厳しめの評価も感謝しながら受け止めます!

(ちょっとだからね! めちゃくちゃ言われると泣くからね!)


この作品は全27話構成で、毎週火・木・土に更新予定です。

(時間は固定ではありません)

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