最終話~全ては本編(交界記)に通じます~
あれから1か月後―――。
無事にフォーランド王都へ戻ったエナたち一行の生活は、いつも通りのドタバタに戻っていた。
「おい! エナ!! 今日は“かいがらアート”の日じゃ!! 付いてくるが良い!!」
「い・や!」
「なんじゃ~……お主はげいじつが分からんのかぁ~……」
「あんなの芸術じゃありません! それにスティル、あれ以来、亜人狩りが私たちを敵視し始めているんですよ!? もう少し警戒を―――」
「いらんいらん。面と向かってわらわ達とやりあう度胸なぞ、やつらにある訳なかろうw」
(ま……まぁ、4か国同盟と渡り合うような人たち相手に、1組織が勝てる訳はないと思うけど……)
「今のわらわの1番の敵はお主じゃ!!」
「はぁ!? 私のどこが敵なんですか?」
「わらわのげいじつを否定していじめる!」
「い……いじめてなんていませんよ!」
「じゃあ付き合うが良い!!」
「い……いや……」
「やっぱ冷たいの……」
スティアナがいじけて見せる。
(だからそれズルいって……)
結局エナは、“かいがらアート”という地獄に付き合わされることになった。
* * *
その後、フォーランドには山岳地帯や大森林地帯にも関所が設けられる。
これはフォーランド政府ではなく、本国ジールド・ルーンからの要請であった。
フォーランドの街道犯罪を軽減する程度の法体制に対し、本国側からのせめてもの抵抗である。
* * *
「スティル~……やっぱりスリングビキニは恥ずかしいですよ~……」
「じゃあ裸でも良いが、完全にアウトだと思うが良いのかの?」
「ダメに決まってるでしょ!!」
スティアナ王妃は相変わらず自由奔放で悪さばかりする人。
海賊(海兵)たちもスティアナ並みに自由で馬鹿ばかり。
常識がまったく通用しない国で、エナは毎日無駄に疲れていた。
だが―――。
国民が全力で笑い合い、どんな状況でも前を向いて生きるこの国を、エナは次第に愛しく感じ始めていた。
あまりにも酷すぎるモラルや頭の悪さは、今後直していかなければならない。
それでも―――この愛しい馬鹿な国家を、いつかどこに出しても自慢できる国家にする。
スリングビキニで露出しすぎる自分の体を必死に隠しながら、エナは心の奥底でそう誓うのだった。
その視線の先には、交界記の本編へと続く未来が広がっている―――。
ここまでお付き合いいただき、本当にありがとうございました!
今回は初めての試みとして、“ギャグ特化”の作品に挑戦してみました。
読んでくださった皆さまが「面白かった!」と感じていただけたなら嬉しいです。
実はこの“わちゃわちゃした海賊国家”は、
本編『交界記』の世界でも登場する国のひとつ。
本編では、ここを舞台に――優人たちが時に苦しみながらも歩み続ける姿が描かれます。
この明るいスピンオフをきっかけに、
その“ギャップ”も楽しみながら『交界記』本編も読んでいただけたら幸いです。
もし少しでも「面白い」「続きが気になる」と感じて頂けましたら、
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それが次の執筆の大きな力になります✨
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