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女聖騎士、赴任先がよりによって海賊国家でした  作者: なぎゃなぎ


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24/27

24話~皆さんはジールド・ルーンが嫌いなようです~

挿絵(By みてみん)

カタン……カタン……。


エナは宿屋1階のカウンターで、空いたグラスを指で傾けて遊んでいた。

スティアナが本気で怒ってくれたのは嬉しかった。だが、何か腑に落ちない――。


横には海賊A・Cと僧侶田吾作もいた。


「お嬢は怒らせたら本気で怖ええからな。この村の怪我人……というか村人どもには関わらねぇ方がいいぞ」

海賊Aが優しく忠告をしてくれる。


「でも……なんでスティルはあんなに怒ったんだろ。いつもなら笑い飛ばしてそうなのに……」

エナは素朴な疑問を投げかけた。


「エナ公、“エアル・レンスター”って男を知ってるか?」


(エアル!?)


エアル・レンスター――それはエナの父親の名だ。

彼は、エナが生まれた直後に敵国兵討伐のため禁じられた山に登り、処刑されたと伝えられている。

世間的には非業の英雄と呼ばれていた。


「ジークフリード海賊団は実は4か国連合との戦争に勝つつもりでいたんだ。

総勢力じゃ勝てねぇが、海上でゲリラ的に敵船を沈め続ければ削り切れるって踏んでた。……なぜ負けたと思う?」


「なぜ……ですか?」


「エアル・レンスターがここ、俺たちのアジトを特定しやがったんだよ」


「あなた方の敗戦の理由は……その、エアルのせいなんですね……」


自分の父が敗戦のきっかけを作ったと知り、エナの胸はさらに沈んでいった。


「その……エアルの娘は――」


「言わなくていい。ジールド・ルーン出身の聖騎士でレンスターを名乗って、しかも目つきがエアルに似てる。気づかねぇ方が異常だ」


しかし、それなら尚更分からない。

憎いはずの自分を助けたは、なぜなのか。


「その……エアルはどういう人物だったのですか?」


「一言で言うと、気に入らねぇやつだったな」

答えたのは僧侶田吾作だった。


「気に入らない?」


「ああ。女よりも綺麗で整った顔をしてて、頭も良くて、腕も立つ……むかつくぜ」


「それだけなら良いが、ついでに“いい奴”だったんだよ。本来なら戦争に負けた時、俺らもお嬢も処刑されるはずだったんだ。

それを“この国を仕切れ”って条件一つで、敗戦の罪を帳消しにしやがった」


「本当はジークフリードの兄貴と一緒に死んでも構わねぇって思ってたのに、余計なことしやがってって思ったがな」


「でもそれが、ジークフリードの兄貴の意志を組んでのことだって知っちまったんだ」


エナにはまだ、海賊たちの気持ちは理解しきれなかった。

……というか、そもそもなぜ五英雄が、そんな因縁ある自分をフォーランドに派遣したのかも分からない。


「皆さん……私のことも恨んでいらっしゃるんですか?」

恐る恐る尋ねると、海賊A・Cと田吾作は顔を見合わせ、大笑いした。


「よし!じゃあ聞くぜ、エナ。なんで俺たちがお前が“教育する”とか言って勉強会を開いた時、ほぼ全員参加したと思う?」


「えっ?」


(やましい下心以外に理由があるの!?)


きょとんとするエナに、海賊Aが続ける。


「実は同じことをエアルがフォーランド立ち上げ時にやってたんだよ」


「あの時は楽しかったなぁ! 色男が語る“お前のお袋さんの口説き方”とかな!!」


「ぶはははは!!」

突然大笑いをする海賊たち。


「いや!それは聞きたくない!言わないで!お母様のイメージまで崩れそうでダメ!!」

嫌な予感を覚えたエナは必死に止めた。


「じゃあそこは許してやる。けどな、あいつもお前同様に俺たちを大切にしてくれてたんだ」


「ああ。色んな意味で感謝はしてる」


「なので結論を言う。お嬢も俺たちも、お前をエアルの忘れ形見だと思ってるんだよ。

まぁ、むかつくからちょっとだけいじめる時はあるがな!」


「いじめないでくださいよ……。でも……良かった……皆さんは父のこと、好きでいてくれてるんですね……」


そこでエナは悟った。

五英雄は、このフォーランドの気質を知っていて、あえて自分をここに派遣したのだ。

父エアルがかつてそうしたように、この国に流されず、真っ当な国へと導くために――。

スティアナが意味不明な論破をしてきたり、急に優しくなったりするのも、きっと感情の置き場所に悩んでいるからなのだろう。


全員が、声を揃えて返事をした。


「大嫌いだよ!!」

読んで頂き、ありがとうございます!

今回は初めての試みとして、“ギャグ特化”の作品に挑戦してみました。

これまでのように「書きたいものを書く」ではなく、

「読んでくださる皆さんに楽しんでもらいたい」という想いで仕上げています。

もし少しでも「面白い」「続きが気になる」と感じて頂けましたら、

ぜひブクマ・リアクション・レビュー・感想で教えてください!

それが次の執筆の大きな力になります✨


※もし反応があまり良くなければ、今後の方向性の判断材料にもさせて頂くつもりです。

そのため、ちょっとだけ厳しめの評価も感謝しながら受け止めます!

(ちょっとだからね! めちゃくちゃ言われると泣くからね!)


この作品は全27話構成で、毎週火・木・土に更新予定です。

(時間は固定ではありません)

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