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女聖騎士、赴任先がよりによって海賊国家でした  作者: なぎゃなぎ


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16/27

16話~スティルが分かりません!!~

挿絵(By みてみん)

「キャ――――――――――――!!」


砂浜に入った途端、エナはフォーランドに来て初めてと言っていいほど大きな悲鳴を上げた。


スティアナと海賊たちが驚き、視線をエナへ向ける。


(やっぱりおかしい、この人たち……!!)


海賊たちは全員ブーメランパンツ一丁。

それぞれ思い思いのポーズを取り、その体には色とりどりの絵の具が塗りたくられていた。


遠目で気づかなかったのは――スティアナが彼らをキャンバスにしていたからである。


「な……何してるんですか!! 貝殻アートはどうしたんですか!!」

エナはあまりの品のなさに説教モードへ突入する。


「む? 絵画裸かいがらアートじゃぞ? ほれ、エナも手伝え」


「手伝えるわけないでしょ!? ていうか海賊さんたちも、こんな馬鹿なことしてないで着替えてください!!」


「お主は……見てくれるんじゃなかったのか……」


しょんぼりとうなだれるスティアナ。


(うっ……!)


「いや、スティル。もっと健全な芸術ってあると思うんですよ」


「芸術を知らんと言っとったのに、芸術を知ったふりしてわらわの作品を否定するんじゃの……」


「お嬢可哀想ですわ~……」

ブーメランパンツ一丁で塗り絵状態の海賊が、スティアナの頭を撫でながらジト目でエナを見る。


「見てあげるとか言ってたのにの……」

スティアナがわざとらしく海賊に泣きつく素振りを見せる。


(ええ~……)


「ま……まぁ、私も芸術のことはよく知りませんし……み、見ますよ!!」


仕方なく、エナは男の体をしっかり見る覚悟を決めた。


* * *


「ちょっと! 腰を動かさないでください!!」


アートを見るエナに、海賊たちはいちいち変な動きをしてみせる。


「かっかっか! どうじゃ、エナ? 海賊CはPi---がでかいからの、そこを強調して周りを黒っぽく、Pi---は明るくしてみたんじゃ」


「知りません! 知りたくもありません!!」


「海賊Dは体毛が少ないから――」


「解説入りません!! 芸術は心のまま楽しむんでしょ! 何も言わないでください!!」


「をを! お主も芸術家の仲間入りじゃな! ほれ!」

満足げにスティアナがエナに手渡したのは――光沢のある布。


嫌な予感。


それはやはり、スリングビキニだった。


「い、いやいやいや!! こんなの着られませんよ!!」


「はぁ? さっき“手伝う”と言ったじゃろ。聖騎士とはジハドに仕える騎士よな?

嘘つきが許されるのがジハドの経典なのかの?」


(うっ……スティル、本当に策士だ……!)


「い……いや……え?」


「わらわの芸術は、ジハドに背いてまで協力したくないんじゃな……」


(それずるいって!!)


エナはしぶしぶスリングビキニに着替えた。


「あ……あまり見ないでください……」


「無茶言うな。芸術は見てなんぼじゃ」


「いえーーい!」

「照れる姿もいいぜーー!」

「普段お堅い聖騎士がスリングビキニとか飯100杯いける!!」


(おのれ、海賊どもめ……!!)


こうしてエナの地獄は1日中続いたのであった。


今回は完璧なご褒美回である。

小説なのがまことに遺憾である。

恨むならば拾ってくれない出版社を恨んで頂きたい。


* * *


その夜。


自室に戻ったエナは、どっと疲れた体をベッドに投げ出し、天井を見つめた。


「……私は聖騎士。絶対に、この国をまともにしてみせる」


静かな誓いの言葉が、波音に溶けていった。

読んで頂き、ありがとうございます!

今回は初めての試みとして、“ギャグ特化”の作品に挑戦してみました。

これまでのように「書きたいものを書く」ではなく、

「読んでくださる皆さんに楽しんでもらいたい」という想いで仕上げています。

もし少しでも「面白い」「続きが気になる」と感じて頂けましたら、

ぜひブクマ・リアクション・レビュー・感想で教えてください!

それが次の執筆の大きな力になります✨


※もし反応があまり良くなければ、今後の方向性の判断材料にもさせて頂くつもりです。

そのため、ちょっとだけ厳しめの評価も感謝しながら受け止めます!

(ちょっとだからね! めちゃくちゃ言われると泣くからね!)


この作品は全27話構成で、毎週火・木・土に更新予定です。

(時間は固定ではありません)

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