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女聖騎士、赴任先がよりによって海賊国家でした  作者: なぎゃなぎ


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13/27

13話~策士に胃袋を掴まれました~

挿絵(By みてみん)

「えっ? 闇市?」


ヘルガラントを紹介されたエナは、3日に1度はここに足を運ぶようになっていた。

他の海賊たちとは違い、公務の後だが―――。


ここのマスター、ガラントは過去に世界中を渡った凄腕の冒険者で、スティアナの父ジークフリードの喧嘩友達でもあったらしい。

世界を旅してきたため、見識も広く、料理の1つ1つが豪快で変わった味付けだが、バリエーションが多くて美味しいのだ。


エナの最近のハマりは「レモンスカッシュ」という、レモン果汁の入った炭酸水にアルコールを混ぜた飲み物と、「おでん」といわれる料理だ。

レモンスカッシュはエールよりも爽やかな味で、強めの炭酸がさっぱり感をさらに強くしている。

おでんという料理は、地上界と呼ばれる異世界の日本という国の料理らしい。

野菜や肉を変わった味付けで煮込んだもので……あの「からし草」の液をつけて食べるという斬新な食べ方にも驚いた。

しかし、これも本当に美味しくて癖になる。


――じゃないじゃない。

私は聖騎士として、公務のために情報を集めに来ているんだ。


「ああ。闇市って言ってな、世界中から集めた違法アイテムとかを取引しているんだ」

ガラントが説明する。


「それは放っておけませんね……」

エナは眉をひそめる。


「いやいや。必要悪って大事だぞ。

フォーランドの闇市は世界的に見ても大規模でな。このおでんを作るのに必要な“醤油”って調味料は、サコクって所の特産品なんだ」


サコク――。

過去にノブナガという神隠し子(地上界からやって来た人間)が興した国だ。

当時は貿易を盛んにしていたらしいが、ある日を境に外国との関係を断ち切ったことで有名である。

和装の剣士と呼ばれる、とても強い剣士の国という噂もある。


「外交を断ち切っている国の特産品が、なぜ手に入るんですか?」

エナは問い返す。


「密輸」


ブーーーーーーッ!!


エナは予想もしなかった答えに、口に含んでいたものを思わず吹き出した。


「ばっ……おまっ! 汚ねぇな!!」

突然吐き出すエナに、ガラントが慌てる。


「はいはい、掃除しますよー。ごちそうさまーーー♡」

どこからともなく現れた海賊Bが、楽しそうに掃除を始めた。


「密輸って、犯罪じゃないですか!!」

エナは憤慨する。


「犯罪だよ! そういうもんを取り扱うのが闇市なんだよ!!

だけど、それがないとこのおでんは作れねぇって話をしてんだろうが!」


――う……。


エナはカウンターに座り直し、再びおでんを一口食べた。


「取り締まるのか? 必要悪を認めるのか?」

ガラントが挑発するように言う。


「悩みどころです……」

エナはため息を漏らした。


(スティルめ……いきなり闇市を教えたら、私がすぐ取り締まりに行くのを見越して……。

その前に胃袋を掴む作戦に出たか……。段々、本気の策士になってきたな……)


「ちょっと、闇市に行ってみます。あまりにも治安的に悪いようなら取り締まります!!」

エナは立ち上がる。


「おう! 気をつけろよ~」

ガラントは手を振って見送った。


* * *


闇市へ向かいながら、エナはふと思い出す。


あれ?

私が吐いた後、海賊Bさん……なんて言ってたっけ???


エナは言い知れぬ寒気を感じながら、夜の道を闇市へと歩いて行った。

読んで頂き、ありがとうございます!

今回は初めての試みとして、“ギャグ特化”の作品に挑戦してみました。

これまでのように「書きたいものを書く」ではなく、

「読んでくださる皆さんに楽しんでもらいたい」という想いで仕上げています。

もし少しでも「面白い」「続きが気になる」と感じて頂けましたら、

ぜひブクマ・リアクション・レビュー・感想で教えてください!

それが次の執筆の大きな力になります✨


※もし反応があまり良くなければ、今後の方向性の判断材料にもさせて頂くつもりです。

そのため、ちょっとだけ厳しめの評価も感謝しながら受け止めます!

(ちょっとだからね! めちゃくちゃ言われると泣くからね!)


この作品は全27話構成で、毎週火・木・土に更新予定です。

(時間は固定ではありません)

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