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第一話「追放されました。だけどやっぱ好きです」

この作品はフィクションです。現実の団体等とは一切関係ありません。また、他作品様を批判する意図もございません。


 この物語の主人公、ジレンは無愛想、無表情。

「じゃあな、二度と来んなよ。」

そこにほぼ無一文が追加されたのは、つい5分前のこと。

 

 美麗な男、このパーティのリーダーであるエルツは、ジレンに追放を言い渡した。ご丁寧に、スキル<洗脳>で取り巻きの美女にも嘲笑をさせながら。

 

 新しいパーティメンバーの最低加入期間である、1週間を過ぎた瞬間の追放。50ゴールドぽっちの、革水筒1本分もない退職金。


 そして、嘲笑。普通の冒険者であれば酷く抵抗するし、パーティに復讐を望んでもおかしくはない。


しかし、ジレンは深く深く礼をした。懇願ではない。

「1週間、僕を置いていただきありがとございました。こちら、僕があなたがたに会うまで集めていた魔晶石です。お納めください。」 

 

ジレンは自分の隣に置いていた、成人男性が両手で抱えなければならないほど巨大な革袋を持ち上げ、エルツに手渡した。


「お、…おう。いい心がけじゃねえか…。おっっっっも!???!??!」


「ポーションと魔法道具もあります」


「机に…置いていけ……重い…。」


「それでは失礼します。エルツさんの偉大なるパーティ、エイジヒッターズに、栄光あれ。」

 

 ジレンが追放された理由は、スキルが<ハズレ>だったからだ。他にも理由は5,6個あるらしいが。


 ジレンの持つスキルは、ハズレのスキルではない。スキルが<ハズレ>なのだ。

その効果は、複雑であり単純。


 ジレンはギルドからカジノに流れるように入り、流れるように全財産50ゴールドを500倍のところに賭けた。


 同じようにギルドの追放帰りで無謀な賭けをし、散っていった冒険者たちを思い出しながら、ディーラーはボールを投げ入れた。


(この賭けにおいて、ボールが、32番以外のとこから<ハズレ>ますように。)


 ジレンは手を組み、祈る。


 カタン、とルーレットが止まった。32番。ボールはそこに鎮座した。


 マグレだ、マグレだと荒くれ者たちとディーラーは口々にいった。


「あと6回、順番通りに当てればいいんですよね。」


ジレンの確認に、ディーラーは一伯置いて頷く。

(この賭けにおいて―)

 

 ⋯⋯勝利、6度目。25000ゴールドを獲得したジレンは、カジノで注目の的となった。

 

 彼のスキルは、<ハズレ>を動詞とした祈りが、全て実現するというものだ。


 ディーラーは彼がスキルないしは魔法の類を使ったと勘付き、問い詰めた。もちろん店の裏側で。


「困るんですよ。お客様。イカサマ、したんでしょう?」

 

 事実、ジレンが遊んだカジノはズルが禁止されている。


「すみません。イカサマしました。」


 だから、素直に謝る。そのトーンは一切変わらず、表情も人形の如く動かない。だがイカサマ現行犯にしては素直すぎる謝罪にディーラーは一瞬たじろぎながら、

「⋯今回は厳重注意で済ませますが、次やったら出禁ですからね。」


「ありがとうございます。今度は裏のほうでちゃんとするのでよろしくお願いします。」

「ここで言うな!?」

 

 ジレンは元所属パーティのリーダーが大好きだった公共のカジノで荒稼ぎしたことを後悔した。エルツがもっと大好きだった裏カジノの方でもっと荒稼ぎすればよかった、と後悔した。大好きな大好きな元所属パーティの名を汚してしまったと後悔した。

 

 でも今は、一分一秒が惜しい。街の店で透明の魔法薬を何本か買い、すぐに次の場所へ向かう。

「ミノタウロス!お前の毛皮は幾らで売れるかなぁ?」

 

 舌なめずりとバフ魔法を起用にこなすエルツに感動を覚えながら、ジレンはスキルを発動する。

(<ハズレ>ろ、<ハズレ>ろ。)

 

 そう祈るだけで元所属パーティの無傷が確定する。そのうち、愛しの彼らは勝利する。彼らの幸福、成功、健康。ジレンにとって、これ以上に尊く美しい出来事はこの世に存在しない。

 

 リーダーの下世話な誤解から始まり、ギルドの決まりで一週間、パーティに置いておいてくれた人たち。

 リーダーの洗脳スキルから<ハズレ>たとしても、ジレンはずっとずっとあのパーティを愛する。


 これはそんなジレンの、追放後ご奉仕系スローライフ。

 最も、彼は元所属パーティの活躍のほうを見てほしいと思っているが。

初作品です!よろしくお願いします!!

追記 もし面白ければ、ブックマークや評価をよろしくお願いします!

 文章の段落構成を変えました!


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