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「〜♩」
「あれ、君は踊らないんだ。」
「踊らないんじゃない。踊れない。」
「……そっか。」
「お前なら相手なんかたくさんいるだろ。」
「いるよ。けど、生憎僕は踊らない。」
「しかし、君。踊れないんだったら結構苦労するんじゃない?ほら、大人になったら舞踏会とかあるじゃん?」
「もういい。諦めてる。」
「ふぅん。」
「なぁ、」
「ん、何。」
「何故お前はいつも猫を被ってるんだ?」
「なになに?からかってるの?」
「ただ単に気になっているだけだ。」
「へぇ、人間らしい。」
「いいよ。君にだけ教えてあげる。どうせ、数十年後には忘れてるんだから。君と僕、」
「所詮、他人だからね。」