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「……?何。どうしたの。」
「…………くそっ」
「ここ、図書館だから驚かせようとしないでくれないかな。」
「嫌だね。ところで、そんな本を読むのか。」
「ん、これ?そう。もうすぐ、舞台があるでしょ?それの資料。」
「真面目だな。」
「ははは。ありがと。」
「褒めてない。」
「そ。まぁ、いいけど。うわぁ、どうしたの。急に僕の肩掴んで。」
「あら、――様。ご機嫌麗しゅうございます。」
「はは。こんにちは。」
「また、お話しましょうね。今度はメイドを呼んでお茶でも飲みましょう。ちょうどゴランティアから取り寄せた茶葉がありますの。」
「ははは。」
「ではまた。」
「何で隠れたの。」
「……ぅ、だって。」
「結ばれないとしても、仲良くなっときなよ。それが嫌なの?」
「……ぅ、うー。」
「はははっ。顔真っ赤。いいねぇ。その顔。君は本当に、」
「生きてるんだね。」