序章・ターミナル(ビッグバンの遺伝子)
全ての考えは遺伝子というシステムそのものに起因するのではないか、という視点から「ビッグバンの遺伝子」というシリーズで書き連ねてみようという試みです。
結論はこの序章にあり、これから書くことはこの考えを読み解くシリーズとなる予定であり、終章は今のところ予定していません。
どこから切っても、結局ここに戻ってくるようなお話の羅列になる予定。
遺伝子については、未来に伝え遺す(のこす)素子と私は解釈しています。、その素子は他の遺伝子より自己の遺伝子を最優先にすることは自明であり、私はそれを「利己的遺伝子」という言葉で表現します。
また、遺伝子という名前は生物のDNAのような物理的な構造物に限ったことではなく「文化遺伝子」という言葉を用いて物理的な遺伝子に依存しない遺伝子もまた、同様の性質を持っていると私は考えます。
ここにさらに拡張した遺伝子の形も付け加えます。
エネルギーだけというビッグバンから始まる最初の宇宙から時間と空間、そして物質への転換、これらも一種の遺伝子と考えます。
エネルギーがエネルギーのままであれば、ただ拡散してしまうだけに過ぎなかったろうと考えています。
しかし、宇宙という時間と空間、そしてエネルギーから素粒子、原子、といった変換がエネルギーそのものから起こった。つまり、エネルギーが時間と空間と物質という形を残すこと自体、「ビッグバンの遺伝子」なのではないかという発想。
そして、宇宙は広がり続け、物質は集散を繰り返して複雑な宇宙を形作っている。生物が持つ遺伝子の歴史と重ねてしまえば、構造は同質に見えます。遺伝子は変質しながらも前世代の遺伝子を受け継ぎ、拡散してより広範囲へ広がろうとする性質があるだろうことが見えてきます。
遺伝子という言葉自体は生物の話になってしまいますが、これから書いていく遺伝子とは遺伝子としての性質を内包していること自体を指していると思って欲しい。
それは宇宙そのものにもある性質であり、宇宙の一部である人間にもある性質であるはずだという発想から「ビッグバンの遺伝子」として世界を読み解いていこうとするものです。
連載にすると途中から全く見てもらえなくなるのと
1話完結型で興味がある部分だけでも見てもらいたくて単発として発信します。