表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
81/89

城南事件帳 2

「あっ、いらっしゃい」

「どうも」

 そう挨拶するのは、勝手知ったる五反田書店のおやじと梅宮刑事。年の瀬も年の瀬、もうクリスマスも間近な週末は、場末の五反田もそわそわしている。

「いい人見つかった?」

 引き戸を開けて畳部屋から姿を現したおやじは、店の古本棚の間に立って、寒さでかじかむ両手に「ハァ~」と息を吹きかけては即席に暖をとる刑事に期待を込めてたずねた。

「うん」今にも吹き出しそうな顔で頷いた梅宮刑事。

「だれ?」

 聞いても答えなかった。ははあ、するってえと、また、自前だな、と察したおやじは、

「いいの?」

「いいんだよ。どうせ、毎晩、世間様が寝静まった後で、ネットをさんざん渉猟しては、自分のお好みの無料エロ動画ばっかり見てるんだから。自室で。それだったら、本物のオンナ、世話してやった方がいいだろう。これこそ、趣味と実益を兼ねてっていう理想形の仕事だよ。奴さんにとっては」

「まあ、梅さんがそれでいいっていうんだったら、オレはなんにも言わないけどね」ととりあえず、オヤジはスペア男が見つかった事実に安堵しつつも、「でもさ、警察官だよね。副業って、許されてるの? こういうのって?」

「だって、利益発生しないんでしょ。本人には。ただ働きなんだから。いや、逆だよ。むしろ、タダでやらせていただけるっていうんだから、奴は、お金を貰うどころか、お代を差し上げないと」

「まあ、たしかに、そうだね」

 二人はともに、「わっはっはっ」と大きな声を上げ、すぐにやってくるであろう結果に対して、オヤジが煎れた一番出しの知覧茶で前祝いをした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ