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城南事件帳 2

 ただただ うつむくまま、体を固くしているマッコイ。 そりゃそうだろう。 お楽しみを共有した女にそのむつごとを暴露されたら男は ぐうの音もでない。せいぜい精魂尽き果てて、やがては人間の悲しいさがで、食欲だけは湧いて出て、お腹の虫が一言、ぐう、と催促するのが関の山だ。

「おいマッコイ、 お前なんで日本人女を殺した?  セッ〇スだけでなにも、殺すことなんかないじゃないか」

「・・」

 身じろぎもせず、黙っていた。しかし、裏切った女に裏切られたマッコイはさすがにここまでと観念したらしかった。

「 日本の女が憎かった。アジア人のくせして、白人のオレにいちいち反論して注意してくるのが我慢ならなかった」


 マッコイの独白は以下のようだった。

 1人目の結城真由子はSNSで 知り合った。英語を勉強していると言った。よくいる日本人のタイプだった。せっかくだからと 映画に誘った。 有楽町でハリウッド映画のアクション 物を観た。 観終わった後、 五反田に移動し、 アイリッシュパブのフィッシュ&チップスでお腹を満たした。その後はお定まりのエッチだった。すると、女はこうぬかしたのだ。

「ホント、 外人さんて、 アイリッシュパブ好きだよね」と。 オレはカチンときた。なんでガイジンって、一括りなんだ。白人、黒人、カラードいろいろいるだろ! それをなんでガイジンの一括りで言われなきゃならないんだ。ふざけんな。いつもいつもそうやって、オレたちを動物かなんか見るような目で見やがって。 それなら、と、 安上がりで手っ取り早く レンタルルームでいいや、 こんな女っ! 立ち飲み屋の隣のレンタルルーム「 スリープ」に連れ込んだ。 普段はラブホなんだけどね。


  ここまで聞いて、 梅宮も羽生も げんなりした。ラブホもレンタルルームもたいして 変わりないだろうが。

「ガイジンと言われた程度で何で殺さなければいけないんだ!」

  梅宮 が詰問すると、

「薬を使ったんだ。 効きすぎたんだよ」

  自己弁護に走るバカ白人。

「ちがう!  そんなことで人を殺せるわけがない」

  DTは不良腰かけガイジンにありがちな無理やりな言い訳に我慢できなかった。

「 首締めたんだな! キメセクだろ!」

「 両方だった」 冷静に マッコイは返した。「 いつもは 快楽のためだった。だけど、 この時は、オレたちをガイジンと 差別する 腹立たしさでいっぱいだった。この女がいけないんだ!」 まともではなかった。

  他の被害者、有働明子についても同様だった。いちいちガイジンと言われるのが癪に障ったのだ、それが動機だったんだと吐き捨てた。

「 じゃあ 3人目の、 川村朝子はなんだ? なぜだ?」

「オレじゃない」

 否定しにかかってきたインチキガイジンだった。


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