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城南事件帳 2

 ビニ本といえば、やはり、当時の中学生くらいなら誰しもあそんだことがあるはずなのは、給食の時間。学校が給食がなくて、お弁当だった子ならば、お弁当箱を透明なビニールに入れて、「ビニ本だ」などとギャグにしたこと。それと、80年代、大ヒットしたロックバンド「シカゴ」の代表曲「Hard to say I’m sorry」、邦題「素直になれなくて」の替え歌だ。サビの部分が、諸説あるが、Hold me nowの次のまさにタイトルそのものを「ビニ本手に持てそ~れっ!」とやったことだろう。

「すごい、おにいさん、パソコン、作れるんだ!」カラコンの効果でまんまるデカ目をぎょろつかせて、驚いてみせる コンセプトカフェの女の子。「どうですか、40分だけでも。3000円で、ワタシとお話しませんか? いま、だれも、お客さんいなくて。だから、空いてるんで、マンツーマンで、お話できますよ。どうですか? おにいさん、せっかく、秋葉原来たんだったら、40分だけでもどうですか。こちらのチラシを持ってきていただければ、1000円割引になりますけど」

 ということは, 40分2000円になりそうだが そういうわけにはいかない。別に「女の子ドリンク」なるものを請求されるのだ。なんどもひやかしているからその程度のことは頭に入っていた。彼女らに言わせると、「別に頼まなくてもいいんだけど、おにいさんがごちそうしてくれると、うれしいな♡」ということらしい。なんだそれ。

「2000円だけじゃすまないんでしょ?」一応、話を振ってみた。すると案の定

「ええ、女の子ドリンクをー」

だいたいわかった。看板に偽りあり、なのだ。絶対に、チラシや彼女たちが手に持っているボードに記された金額ではすまない。その2倍、3倍は支払うはめになる。たけのこ剥ぎみたいなもんだ。次から次へと細かな値段が発生して、最終的にはかなりな金額に達するという詐欺的手法。

「私今日で最後なんです。この店。次からは、五反田の姉妹店で働くことになるんです。モカっていいます。よかったら、最初で最後ですから、お兄さん、私のこと、拾ってもらえませんか?」

 よく言うよ。どうせ嘘だろ。私、初めてなんですぅ~(恥)! ってのと、おんなじ。きっと、マニュアル化されてるに違いないよ。潮時、とばかり、別の子に移った。

 この裏通りもそうだが、表の中央通りも、JR高架下あたりから地下鉄銀座線末広町駅あたりまで、ずらっとコスプレをして、太ももをあらわにした女の子たちが客引きをしている。だいたいが、大草原の小さな家のローラのような格好の、ミニスカートバージョンなのだが、ときに、男装カフェといって、新選組のはっぴ、や執事っぽいのもいる。そうかと思えば、バニーちゃんの姿も。

「ハイぷり(HIGHーSPEC Princess)、ツンデレでハイスペックなお姫様達がお出迎え」、「Candee Doll 40分2、200円飲み放題」、「あすとらいぶ VTuber育成cafe」、「Idoly 岸田メル&古関れんプロデュース コンセプトカフェ」、「秋葉で1番カワイイお店!! Palace Gate」、「Cherie bell 40分2000円飲み放題」等等・・

一周したら、10枚以上のビラをもらった。結構疲れて、腹も減ってきたから、神田明神下交差点角のビックカメラの隣のマクドナルドで休憩することに。



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