城南事件帳 2
「ユーキ・マユコ、ウドー・アキコ、キャワムラ・アチャコ、アイ・ドン・ノー、ナッシング!」
地元の南魚沼警察署の取調室に連行されたマッコイは、捜査員に対して、しらを切り通すつもりのようだった。
「ワタシ、ニホンゴ、ハナセナイ。ベンゴシ、ヨンデクダサイ」
「話せるじゃないか、最後のところだけは」
「・・・」
刑事たちの心証は 極めて悪かった。都合が悪いと、ニホンゴ、ハナセナイ・ワカラナイ・シラナイを決め込む。そのくせ、「ベンゴシガ、キテカラ、ハナス」
どんだけ、ワルなんだよ! 白人は! とくに。まるで、ケイ・コムロみたいだ。極悪人だね。
欧米先進国からこの国に入ってきたやつらは、日本人が彼らに甘いこともあって、はじめからゲタをはいて当たり前の気持ちなのだ。優遇されて当たり前だと。あげくの果てに、日本の司法制度は信用ならない、とまで言い出す始末。ホント、世界中を植民地化してきただけのことはある。 筋金入りの悪党遺伝子ばっかりである。 わざわざ「極東」などと、へんぴな土地と軽蔑するような魅力ない国に来てみては、案外居心地がいいもんだから、言葉も学ばず長居しようとするやつらは、わざわざリゾート地の涼しい気候のなかで、もてなす必要もないもんだ。そう判断して、警察はマッコイ一人の身柄を東京へ移送することに決めた。
「明治の森を守れ!」
神宮の イチョウ並木の下では、女性だけのグループが集合写真を撮っていた。 この辺 一帯を 再開発するにあたり、 木を伐採するしないで問題になっていた。
「アメリカでは、こんなふうに再開発したらみんな大反対シマス!」
そう、 冷静な口調 だが、厳しく 抗議の意を示すのは、デトロイト出身女性建築家で、日本語が堪能なミシェル・エディング氏だった。




