城南事件帳 2
感心している場合ではない。自分もメール見つけたんじゃないか。そう我に返り、
「ちょっと来て」パソコン画面を見せてやった。すると、血気盛んな若ぇのが、
「やっぱり、あの最大手のエロビデオ制作会社Gタワーズ社長・谷渕元気、モデルの川村朝子とデキてたんですね。チキショー、盗撮してやがったんだ。せっかくだから、見てみましょうよ。このアドレス。https://jp.sukebeojisan.com//#$%&23$5 」
「だめだめだめ」
「どうしてだめなんですか?」
「オレもさっきやった。ダメだった。カギかかってた」
俄然、目が輝く羽生刑事。「そういう時は、私にお任せください」ワイシャツの袖を腕まくりして、「世の中、よくしたもんで、無料エロ動画サイトがいくつもありますから、たとえ、有料だ、カギを掛けた、とか言っても、案外、ただで楽しめたりするもんなんですよ」
そう言うやいなや、キーボードをぽんぽこポンっ!と叩いては、Xvideo, Pornhub, Xhamster, Spankbang, RedTube, TUBE8, Avgle, TOKYOMOTION、などなど、日頃世話になっているサイトを片っ端から試してみた。そのときの、手さばきの鮮やかなことったらなかった。それと、目つきもいつもとはまったく違った。有無を言わさなかった。オレが見つけてやる。体全体から殺気すらほとばしっていた。
が、自称・AVソムリエの健闘もむなしく、動画は出てこなかった。
「おかしいですねえ。いつもはこの手で、結構、上手くいくんですけど。Yahoo Japan!だけじゃ面白くないんで、Yahoo USAとか、YahooUKとか、中国のウェイボーなんかもなんとかやりくりしたりして・・」
すると、先輩刑事は冷めた目でこう言い放った。「君の、夜の行動パターン、だいたいわかったよ」
「いやいや、勘違いしないでくださいよ。あくまで、パトロールですから。サイバー犯罪の抑止のための。仕事ですよ。仕事を家に持ち帰っている、いわば、模範って言ったらいいのかな」
「模範囚ね」
「どういう意味ですか?」




