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ドラゴンと亜人たちの歌

 ドラゴンの炎ノブレスが大地に衝突していました。

 破裂音が聞こえてきます。


 私たちはドラゴンの炎のブレスの中に突入すると、体が焼けるような熱さに襲われていました。

 防御の魔法で、どうにか炎の高熱に耐えることができました。


 ただ、高熱で体がおかしくなっています。

 身動きができません。


 突然、爆発が起きると、私は吹き飛ばされていました。

 近くにある川に落ちてしまったようです。


 しばらく、私は川の下流へと流されていました。

 どのぐらい流されていたのか、意識がなく、私には判断することができませんでした。

 

 

 

 意識を取り戻すと、砂利の上で横になっていました。

 辺りが暗くなっています。

 目を開けると、大きなドラゴンが立っています。

 



 ドラゴンが私をのぞき込んでいました。



「お主は誰じゃ!? 何故、私の所に向かっていたのじゃ!?」



 ドラゴンが話しかけてきました。

 

 その声を聞きながら、私は手と足の感覚を確かめていました。

 どうやら動くことはできそうです。


 私はドラゴンの顔を見つめていました。

 下手な話をしたら、このドラゴンに食べられることになる、と思いました。



 


「私は、勇者です………」



 とっさに、私は嘘をつきました。

 まあ、嘘というわけではないのかもしませんけど。



 

 それを聞くと、ドラゴンが大きく息を吸いました。

 爬虫類のような眼をぱちくりさせました。

 


「ほう、勇者とな……。では、もう一つ、質問があるのじゃが。どうしてお主はワシの所に走ってきていたのじゃ!?」



 私は顔を左右に振りました。

 

 


「それは違います。そんなつもりはなかったのです。ただ、追いかけっこをしていただけかと思います……」


 そう言うと、私はゆっくりと立ち上がりました。

 右腕には火傷がありましたが、そこまで重症はしていないようです。



「なるほど、あいつの信者かと思ったのだが、どうやら間違えてしまったようじゃな……」 

「あいつ、とは誰ですか?」 

 

「モグラじゃ……長い間、ワシはモグラを探しておる……」


「それは、土の中にいるモグラのことですか?」


「そう、あのモグラのことじゃ。ドラゴンの間では、あいつのことをリンゴの皮むきモグラと呼ばれているんじゃ、どうじゃ、お主は何か知っているか?」


「いえ、私は何も知りません……」




 そう言うと、ドラゴンは黙っていました。

 再度、私の姿を見ると、ドラゴンの口から大きなよだれが落ちました。

 ずっと、しっぽを振っていました。



 ドラゴンは私を食べるつもりのようでした。

 実際、種族が違うのだから、私が食べられたとしても仕方がないことだと思いました。

 ただ、モグラを知っていると伝えるべきだったのかなと思いました。



 今更、遅いのです。




 そう思っていると、どこからか綺麗な声が聞こえてきました。


 それは歌のようです。



 透き通った声が聞こえてきました。

 その歌を聞くと、ドラゴンは不快な顔になりました。





「どうやら、近くに魔族がいるみたいじゃな。私たちが滅ぼした亜人たちの歌が聞こえてくる。また、この歌を聞くことになるとはな……亜人たちの影を飼育している魔族たちはすべて滅ぼしたと思ったのじゃが……」



「亜人の歌……」



「そうじゃ、まあ、いいさ……。そろそろ、ワシはこの場所を離れることにしよう……万が一、魔族にでも殺されたらたまったものじゃないからな……それに魔族がいるのなら、勇者であるお主が必要になってくるかもしれんしな……」



 そう言うと、ドラゴンは大きな二つの羽を広げました。

 空高く、ドラゴンは飛んでいきました。


 ずっと、亜人たちの歌が聞こえてきていました。


ありがとうございます!!

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