謁見の終わり
アティーナは光属性のナイフを握りしめました。
その横では、ギルド長は剣術を使用して妻に攻撃をしていました。
ただ、その攻撃をよけると、妻がアティーナに語りかけました。
ゆっくりと歩いていきました。
「ねえ、このぐらいにしておいた方がいいんじゃない?」
しかし、アティーナはナイフを握りしめました。
そのまま、ナイフを突き上げています。
妻はアティーナの腕を掴んでいました。
ポキッと、骨が折れる音がします。
叫び声が聞こえてきました。
「敵わないみたいね。弱い者いじめみたいで嫌になる……」
ギルド長が爆発魔法を唱え始めました。
しかし、発動する前にギルド長は壁に吹き飛ばされていました。
次の瞬間、アティーナとギルド長が倒れていました。
早々に、戦いは終わりました。
私たちは王室に向かっていきました。
◇ ◇ ◇
謁見が終わり、既に夜になっていました。
私たちは宿屋に戻ってきています。
私は宿屋で食事をしていました。
肉の入ったスープをかき混ぜながら、ずっと、王様の顔を思い出していました。
王室には怯えている王様がいたのです。
申し訳ないと思いました。
スープがしょっぱい味がするのは悲しみのせいかと思います。
大臣が勇者の説明をしていました。
「勇者としての功績を……、き、期待している………………」
王様から言葉を頂きました。
勇者としての謁見が終わることになりました。
ただ自分が偽の勇者であると告げることすらできませんでした。
それから、私は宿屋の食堂に座っていました。
食堂には誰の姿もありませんでした。
町の中では噂になっているようで、城下町を歩いている人はまばらであり、私たちは危険人物として扱われているかのようでした。今頃、南の城では私と妻を捕えるための準備をしているに違いありません。きっと、明日になったら捕えられて死刑になるはずだと思いました。
村を追い出され、偽の勇者として王様と謁見したのです。
今更、弁明をしようとは思っていません。
スープをかき混ぜていると、突然、バンッと背中を叩かれていました。
「何さ、そんなに落ち込んで! もっと、シャキッとしなさい!!!」
宿屋のおかみが満面の笑っていました。
キッチンでは、宿屋の店主が不安そうにこちらを見つめているようでした。
「そんな気にしなさんな。男でしょ! ただ、宿屋を壊さないでくださいよ!!!」
肉料理が置かれていました。
宿屋のおかみさんのゲラゲラと笑っている声がしていました。
その姿を見ると、私は自分の部屋に戻ることにしました。
まだ、妻は戻ってきていませんでした。
ベッドで横になりました。
アティーナの悔しそうな顔を思い出していました。
彼女は負けるとは思っていなかったはずです。
アティーナは睨みつけるような顔で妻を見つめていました。
怒りを抱いているに違いありません。
ただ、彼女に勝利した本人の姿が見当たらないのです。何処かに出かけたまま、まったく戻ってきていませんでした。
今更、妻のことを思案するだけの気力などありませんでした。
朝までゆっくり眠りたいと思っていたのです。
ベッドで横になっていると、真夜中、私は妻の声で起こされていました。
甘酸っぱい声が聞こえて、私は目を覚ましていました。
「ねえ、起きて……、ねえ……」
疲れていたせいもあり、いつの間にか眠っていたようです。
私は目をゆっくりと開いていきました。
「ねえ、お願いがあるの。あなたの力で異世界人を目覚めさせてほしい。さあ、起きて……」
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