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約束と契約  作者: オボロ
68/114

#68 B・Bの糧


あるじ様は悪い悪魔じゃない。」


ノラが言うと、他の使い魔達はすぐさま揃って頷く。


「俺らも悪い使い魔じゃない。」


バトが言うと、他の使い魔達はすぐさま揃って頷く。


「だから、ぼく達を嫌わないで。」


ヴィゼが上目遣いで言うと、ノラとドドはすぐさま揃って頷き、クロとバトは、やや引きり気味の笑顔を浮かべて、躊躇ためらいがちに頷いた。


今、5人の使い魔達は高架下の芝生に正座している。

その5人の使い魔達のすぐ前で、マリアと凪は腰を下ろしている。

知らない人が遠目で見たら、7人は高架下に座って寛いでいると思うだろう。

しかしながら、マリアと凪の2人は、5人の使い魔達を威嚇していた。



「嫌う?」


凪は首を傾げた。


「嫌わないで?あんな酷いことをしておいて?」


マリアはすぐに聞き返した。

何を言っているのか、意味が分からない。

酷い言葉でののしってやりたい気持ちだった。


「待て。」


凪が止めた。


「嫌うな——ということは、好かれたい——ということだ。お前たちは、マリアに好かれたいのか?」

「はぁ?」


突然の凪の発想に、マリアは素っ頓狂な声を出した。

これはこれで意味が分からなかった。

しかし、使い魔達は、もじもじとして、少し照れているのが見て取れた。

マリアに怒りが込み上げた。


「嘘でしょ?好かれたいと思っているのに、なぜ、ルイーザを連れて行ったり出来るの?殺したり出来るの?殺したんでしょ⁈ルイーザを自殺に見せかけて殺したんでしょ?ドロシーも一緒に……。」


思い出して、言葉に詰まった。

霧の中に消えた2人の姿を思い出してしまった。


「2人はどうなったの?B・Bは、2人の魂を食べたの?」


「食べる⁈」

「食べるだって⁈」


クロとバトが叫んだ。

他の使い魔達も驚いて目を丸くした。


「そんなおぞましいことを、主様がするわけがない。」


ノラが言った。


「じゃあ、2人はどうなったの?」


問い詰めるマリアの言葉に、少しの間、言い淀んでいた使い魔達だったが、互いに目配せした後、ノラが答えた。


「2人は天に召されたはずだ。」


「天に⁈」


これには、マリアも凪も驚いた。

地獄に落としたならばいざ知らず、天に召したとは驚きだ。


「悪魔が天使の真似事?」


「ふっ……。これだから人間は……。」


バトが鼻で笑った。


「ルイーザは洗礼を受けていたが、ドロシーは受けていなかった。しかし、自殺ならば同じだ。2人は一緒に地獄行き。だけど、情け深い神なら、この哀れな2人をきっと天に召してくださるだろうと、俺たちはそう考えているわけだ。本当に天に召されたかどうかは分からない。知りたければ自分で聞けば?関係者だろう?」


「じゃあ、消滅しただけかもしれないってこと?」


「そこまでは面倒見れないよ。選んだのは彼女たちだしね。」


ヴィゼが言った。


「選ばせたんでしょ?」


「断ることは出来たでしょ?君はそうして来たじゃない。」


全く悪びれず、当たり前のことのように言うヴィゼの言葉に、マリアは悔しさが込み上げて来て泣きたくなった。


「………B・Bは、それで、何を得たの?2人の魂を食べたんじゃなければ、2人から何を得たの?」


声は震え、目の前は涙で滲んだ。


「……魂のエネルギー……」


耐え切れない様子で、クロがぽつりと言った。



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