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約束と契約  作者: オボロ
12/114

#12 部長の技


「………。」

「………。」


バトの行動の意味が分からないクロと、自分の行動の間抜けさを後悔するバト。

考えても分からないクロは、バトをじっと見つめ、バトからの返答を待っていて、クロには絶対に真相を知られたくないと思っているバトは、ずっとクロから顔を反らしたまま黙っていた。

様子を窺う周りの生徒達に、微妙な空気が漂った。


この二人は一体、先程から何をしているのだろうか?



「よかった、バト。ここにいたんだね。ぼく達、君のこと、探してたんだよ。」


突然、ヴィゼが嬉しそうにバトの元へ駆け寄り、広がる微妙な空気を一掃した。

頭の回転が速いバトは、ヴィゼの機転にすぐさま乗っかった。


「あの、すみません。友達が迎えに来たんで、俺、もう行きます。」


周りを囲んでいた生徒達に、頭を下げて立ち去ろうと考えた。

しかし、勧誘したい上級生は引き留めにかかった。


「え?友達と一緒だっていいんだよ?」

「そうだよ。みんな一緒にやろうよ。」


仕方なく、バトはクロを指差した。


「いえ、彼は頭使うの苦手ですから。」


「あれ?今、オレの悪口言った?」

「いいから。クロ、行くよ。」


イマイチ状況がわかっていないクロをヴィゼが促し、2人は部屋を横切り始めた。

バトはレゴクラブの生徒達に軽く頭を下げて、歩き出した。


「それじゃ、失礼します。」

「じゃあさ。学年と名前、教えてよ。」


諦めきれないクラブ長のアランが、バトの後ろ姿に声を掛けた。

バトは無視をした。

しかし、それまで蚊帳の外だったクロが、アランの言葉で何かを思い出したように「あ、そうだ」と言って、アランの所まで戻ってしまった。

気付いたバトは、舌打ちをして足を止めた。


「チッ…」

「おい、クロ!」


ヴィゼは慌てて声を掛けたが遅かった。


「あのさ、ゴシップクラブがどこにあるか知ってる?」

「ゴシップクラブ?ここよりそこに興味があるの?」


あどけなく聞くクロに、アランは皮肉っぽく言って肩をすくめた。

周りにいた生徒達も、ゴシップクラブに良い感情は持っていないようだった。

ゴシップクラブに興味があるなんてどうかしていると、言わんばかりの顔でクロを見ている。

ヴィゼは、なんで急にこんな雰囲気になってしまったのか分からなかった。

バトは、イチかバチかの賭けに出てみることにした。


「興味があるっていうか…、ルイーザって人のことが、ちょっと知りたくて…。」

「ルイーザ?ルイーザって、9年生のルイーザ・ベトソン?」


アランの反応はバトが期待していたものだった。

クロがゴシップクラブなんて言葉を知っていたのは、ルイーザが絡んでいるからに違いないと思ったからで、上手くいけば情報を引き出すことも出来ると思った。


「同じクラブの人に聞いた方が早いでしょ?」

「うー…ん。それはどうかなぁ…」


アランは少し考え、クロ、ヴィゼ、バトの1人1人を見ながら言った。


「君達、誰かに頼まれて来たの?君達の中の誰かのお兄さんかな?それとも、お姉さんかな?」


3人は顔を見合わせた。


まさかとは思うが、B・Bの存在に気付かれてしまったのだろうか?

いや、人間如きがB・Bの存在に気付くわけがない。

では、何を言っているんだ!この人間は‼


3人の無言のやり取りを、黙って見ていたアランだったが、あまりに必死な表情で見つめ合う3人を見ている内に、笑いが込み上げて来て、我慢出来ずに噴き出した。


「あははは!わかった、わかった。もういいよ。口止めされているんだね。」


お腹を抱えて笑い出したアランを見て、3人は再び顔を見合わす。

その様子に、また勘違いをしたアランは、目尻に溜まった涙を拭いながら、3人を称えた。


「君達は口が堅いね。偉いよ。本当にその人の為に何かがしたいと思っているんだね。わかった。協力しよう。何が知りたい?僕の知っていることだったら、君達に情報を提供しよう。」


思いも寄らなかったアランの申し出に、3人の表情は輝いた。


「「本当ですか?」」(バト・ヴィゼ)

「本当か?」(クロ)




「もちろんだよ!3人とも、ようこそレゴクラブへ‼」




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