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かぜさき旅行記  作者: 斎藤 正
20/21

#7




つまり、魔法暴発による丘消滅はバレてはいけない!断じて!

という状況を再認識した。


そして、先ほどの老紳士の言動で気になった点が、


「懲役刑については理解しました。ですが、先ほどの筋肉だるまは私を殺してはいません。どうして罪状に「殺人」が含まれるのでしょうか?」


そう、私は相手の攻撃を完全に無効化し、反撃している。

そのため私は傷一つついていない状況だが、どうして罪状に「殺人」が入るのか。


「それは、本日そのD級冒険者が1月前に発生した新人冒険者殺人の犯人であることが判明したからです。」


なるほど、今回の私に対する攻撃が、防がなければ殺人になっていたからではなく、過去に殺人を犯していたのか。

よかった。未遂では懲役刑にはならないのか。

つまり私は罪に問われない!やったね!!

私は、(心の中の自分は小躍りしていたが)顎に手を当てて、うつむき加減でそんなことを考えながら、老紳士の話を聞いていた。


「半年ほど前から、新人冒険者に限り登録直後に即日退会したり、冒険者を継続不能と判断されるほどのケガを負ったりという事態が発生しておりました。最初は新人が無理をしたのだろうと考えていましたが、2か月ほど前から、登録した新人のほとんどが、1.2日程で退会、ケガにて継続不能になるという状態に陥りました。さすがにおかしいとギルドにて調査を行ったところ、どうやらあなたに危害を加えようとしたD級冒険者がかかわっているという事が判明したのです。

ですが、犯人は用意周到で、すべて城壁外で事を起こし、決定的な証拠が残らないようにしていました。そして、遂に1月前に新人冒険者が殺害される事件が発しました。」


冒険者が城外にて、被害者の死体を発見したそうで、ケガ事件の時と同様に証拠は残っていなかったそうだ。

そしてそのような被害が2桁に上り、その被害者に共通するのが、


「私にちょっかいを出したD級冒険者が接触した履歴がある」


というものだったそうな。



「そして本日、冒険者ギルドに現れた対象に酒を飲ませ、彼が殺人について自白するのを待っていたのです。そしてあなたに絡んだ際に、決定的な言質を確認しました。それゆえに懲役刑が決定したのです。」



『そんなに魔法を教えてほしけりゃオレが直々に指導してやるよ。城壁外でくたばったあいつらと同じく実戦形式でなあぁ!!!!』



そういえばそんなことを言っていたなあ。と先ほどの状況を思い返してみた。

私に振り落とされた斧に集中して(ブチギレて)いて、今の今まで相手の言っていることなど気にしてなかった。

そしてそんな相手にギルドが罠を仕掛けていたのか・・・。

はっ!もしかして、丘をぶっ壊した犯人が私だという事もバレてて、今私は自白するのを待たれているのか?!

私はハッとして老紳士へ顔を向けた。

老紳士は少しびくっとして、慌てて笑顔を取り繕ったように見えた。


やっぱりバレてるんだ!!

そう確信した私は、この腹黒紳士め!と嘲笑気味に目の前の相手を笑い飛ばしそうになるのを何とかこらえていた。これ以上墓穴を掘る挙動を防ごうと身構えた結果だった。


「これが、罪状に「殺人」が含まれていた要因と、今回のことのあらましですが、

やはり、気づいておられたのですね。」


何を?!と叫びたがったが、何をしても墓穴を掘りそうだと疑心暗鬼になっている私は、恐怖で口元がひくひくしていないかという事が無性に気になり、更に口に力を入れた。


「やはりですか。その点につきましては、本当に申し開が出来ません。本当に申し訳ありませんでした。ギルドを代表して謝罪いたします。」


なんだ?!どの点?いきなり何を言っているのかわからなくなったぞ?

と内心は動揺しまくりの状態だった。

いや、もしかしたら私が考え込んでいる間に「その点」についての話が合ったのかもしれない。聞き漏らしたか?!それはまずい!!!

いや、落ち着こう。少し待ったら、聞き逃したところをまた行ってくれるかもしれない!

などと、考えがぐるぐるしてしまっていたので、いったん深呼吸をして、自分を落ち着かせようとした。



「もちろん、謝罪だけで終わらせるつもりはありません。何か希望があればおっしゃってください。何でも、どのようなものでも承ります。」


自分を落ち着かせようとしていると、むしろ目の前の老紳士が少し焦り気味でそう言いだした。


「なんでもいいのか?」

「もちろんです。」


どうやら聞き漏らしたであろう点についての話は終わって次に進んだのか、恐らく今回の件についての迷惑料の支払いをしてくれるそうだ。

それなら、



「ならば、魔法について教えてほしい。どうも制御がうまくいかなくてね。聞いたところによると新人教育の講座が開かれているようだから。」


私がそう言うと、老紳士は少しほっとした様子で、


「承知いたしました、すぐに手配いたします。日程など決まりましたらご連絡いたします。」


と、言った。

何とか魔法制御問題への解決の糸口がつかめそうでよかったと、ほっと一息ついた。

そして、私は少しルンルン状態で、その部屋から出て、帰路についた。

自分へのお祝いに路上で売られていた肉串を買って食べてみたが、あまりのおいしさに爆買いしようとして、財布の中身を見て踏みとどまった。



早く稼がねば!!!!!




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