#2
それから私は、魔法の検証もかねて簡単にできそうな依頼1つと、討伐系の依頼を夕方に受け、夜の間に城門を出ていき、野宿して朝冒険者ギルドに報告して、それから学園の図書館へ通い魔法などの勉強をするという生活を送っていた。
冒険者ギルドに出入りするようになって、冒険者のうわさ話などを耳にする機会が増えたのだが、どうやら、私が体を借りた初日に魔法の検証を行った丘が一夜にしてまっ平にならされてしまっていることが報告され、その調査が行われたらしい。しかし上位の冒険者の調査にも関わらず、魔獣でもなく、自然災害でもない「原因不明」である事が、今話題の中心なっているのだそうだ。
表情を読むことにたけている人でなくても、その話を聞いた途端に私の視線が右上に流れたことはバレバレだっただろう。
さすがにまずい。額から冷たい汗がツーっと落ちていった。
早急に魔法を制御できるようにならなければ、この国の警察的な役割を担っている騎士団のお世話になってしまう。
つまり、今後の自由な魔法ライフがすべてなくなる!
焦りのせいで「何とかせねば」という考えで頭がいっぱいになり、冒険者ギルド内受付カウンターの端で立ち尽くしていた。
薬草採集はともかく、魔獣討伐では魔法を使わざるを得ないので、ひたすらに森にクレーターを大量発生させている始末。
私が受けた依頼の魔獣発生場所に、丘を破壊したであろうクレーターと同じ跡が残っているのだ。
これでは、丘の破壊犯が私であることがバレるのも時間の問題だ。
図書館での勉強では、魔法制御について全く成果は得られていなかったことも焦りに拍車をかけていた。
魔法に関する本はすべて呪文しか書かれておらず、どういう原理でどういう理由から呪文が必要なのかということは全く書かれていなかった。
さらに言うと、火、炎などの系統の呪文が書かれた本しか存在しておらず、
身体強化などのほかの呪文についての本すら存在していなかったのだ。
教授によると、炎以外の魔法はこの国では邪道だからという理由で貴族が禁止、存在しているものはすべて処分したらしい。
つくづく使えない貴族だ。
まあ、そんなことを言っても魔法制御ができるわけではない。
さて、どうしようか。どうやったら魔法を制御できるようになるだろうか。
どうしたらいいかぐるぐると考えていると、目の前の掲示板に張られている1つの依頼書の一文が目に入った。
「炎魔法士限定」
そうか、魔法士の冒険者もいるのか。
ん?そうだ、この国に来て、私は魔法をこの目で見ていないし、使っている人を見ていない・・・!
そう思い立った私はガバッと後ろを振り向き、ギン!とギルド内を見渡した。
・・・そばにいた受付の職員さんがビクッと反射的に私を見ていた。
そこには冒険者が集まっているフロアがあり、多くの人は長剣、弓などの武器を持っている。
そんな人たちがお仲間と酒を飲んだり、仕事の話をしたりしている。
その中に、杖を腰のホルダーにかけている冒険者がいた。
いたぁあああ!
その人を見つけた私は、わき目も振らずその人に突進した。
その途中で何かやわらかいものを踏んだ気がするが、その時の私は全く気に留めていなかった。
そのまま、その人の手を取って、
「すいません!ちょっと魔法見せてもらっていいですか!!!」
そのままの勢いで相手の顔も確認せずに突撃した。




