初夏のカフェテラス
パターン、変わります。
「晴れて良かったね」
昨日の雨を思わせる点々と浮かぶ淡い雲と、
夏の始まりを感じさせられる少し強い日差しの下、
僕は休日の朝に彼女とモーニングを楽しんでいた。
「今の時期くらいがちょうど過ごしやすくていいね」
店内の席も空いていたが、彼女が
「せっかくの天気だし、テラスに行こ?」
と言われるがまま付いてきたが、
水分を含んだ涼やかな風と、
遮光の天井硝子に軽減された柔らかな日光が心地好く、
僕はリラックスして彼女と向き合っていた。
「今だけよ、もうすぐしたら暑くなっちゃうわ」
彼女は少しウンザリした表情をしてカフェオレのストローを口に含んだ。
瑞々しい唇を尖らせてストローを咥える様は、
普段は官能的に思っているのだが、
今ばかりは子どもがイジケテいるようでどこか愛らしく、
ちょっと笑ってしまった。
「ちょっとー、なにニヤニヤしてるのぉ?」
「いや・・・何でもないよ」
「うっそだぁー!逆に何もないのに急にニヤニヤし出す方が怖いよ!」
「男の子ってそういうモンだよ?」
「男子こわっ!」
「まぁ、僕だけかもしれないけどね」
「でしょうね」
「ひどくない?」
「傷ついた?」
「ドーバー海峡より深く傷ついた」
「それは大変だ、このトマトを分けてしんぜよう」
「しれっと苦手な物を僕に食べさせようとしないでよ・・・」
「ソンナコトナイヨ?・・・ほら、あーん」
「はいはい・・・あーん」
「美味しい?」
「トマトの味がするよ」
「そりゃ、トマトだからね」
「そっちのフルーツも頂戴よ」
「だぁーめ、フルーツは私の物!」
「ケチ」
「ケチとはなんだぁっ!
私よりも太っ腹な人間なんてお相撲さんくらいだよ!」
「物理的なデカさの話なんですかねぇ・・・」
「あーっ、ごちそうさま!お腹一杯だよぉ」
「腹太鼓打ってみてよ、太っ腹なんでしょ?」
「えぇー・・・女の子に言う事じゃないよぉ」
「僕が打ってあげようか?鉢が僕、太鼓が君」
「相変わらずイカれてるねぇ・・・ドン引きなんですけどぉ」
「もう1回遊べるドン!」
「思いつきで喋るの止めてもらえる?
思考を追跡するのにも限界があるよぉ」
「あ、太鼓の達人したくなってきた・・・
もうちょっと休憩したら、ゲーセンに行かない?」
「だと思った・・・
もうっ!しょうがないわねぇ・・・
UFOキャッチャーで何かヌイグルミ取ってよね!」
「いいよ、リアル・エイリアンのやつね」
「チョイスにセンスが無さすぎて嫌過ぎる・・・」




