ミツ(3)バチ(8)の日
「ハチミツ取ってこぉーい!」
「唐突過ぎる・・・何かにかけるの?」
「ううん、言ってみただけぇー」
「意味が分からない・・・」
「今日は<ミツバチの日>!
さぁ、働き蜂よ!
ハチミツを集めて参れぇ!」
「女王蜂ゴッコをしたかっただけか・・・ツツジ、咲いてたかな?」
「ツツジィ!?この女王に花蜜吸わせる気ぃっ!?」
「いや、働き蜂は花蜜を集めるものでしょ」
「そうだけどぉ・・・
目の前の女王蜂は、甘ぁーいハチミツ菓子をご所望だぞぉ?」
「はいはい、ひとっ飛びして見つけてくるよ」
「なるべく早くね?」
「仰せのままに、女王様」
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「お待たせ」
「遅おぉーい!一体どこまで行ってきたんだよぉ!」
「三千里の彼方先まで、かな?」
「母をたずねてるんじゃないよぉ!
それでぇ、例のブツは見つけてきたんだろうねぇ?」
「お代官様、もちろんでございます」
「くくくっ、越後屋、そちも悪よのぉ・・・
って違ぁあーう!
今の私はお代官じゃなくて女王様なのぉ!」
「とりあえず流れに乗っかる君の姿勢、好きだよ?」
「もっと好きって言って」
「おっと、地雷を踏んだか・・・
言葉ではいくらでも飾れるから、僕の気持ちを贈ろう」
「んー、なになにぃ?
わぁ、お花!
綺麗ぃ・・・これ、私にくれるのぉ?」
「花束を君に、ではなく、<ミモザを君に>」
「へぇー、ミモザって言うんだぁ、このお花・・・
なんでまた突然にお花なのぉ?
いや、嬉しいんだけどねぇ」
「今日は<ミモザの日>って言って、
女性への日頃の感謝の気持ちを、
男性が伝える為にミモザの花を贈る日らしいから」
「はへぇー、初めて知ったよぉ」
「僕も偶然知ったんだけどね・・・
君の気分が女王様みたいだから、王冠をチョイスしてきたよ」
「嬉しい!ありがとう!」
「どういたしまして」
「どう?似合う?似合う?」
「すごく似合ってて可愛いよ」
「えへへぇ・・・
貴方の気づかいが嬉しくてキュンとしちゃったぁ・・・
アッ、蜜が溢れてきちゃった・・・
・・・舐めてみる?」
「<女王の蜜>なんて働き蜂には恐れ多いよ・・・
テイスティングは、またの機会に」
「ぶぅー、ここまでしたんならもう一押ししてくれてもいいのにぃ・・・
あーあ、花の色もオレンジだしさぁ」
「あれ?気にくわなかった?」
「どうせなら黄色がよかったよぉ!」
「それは失敬・・・何か違うの?」
「花言葉、知らないのぉ?」
「男が知ってると思う?」
「それもそっかぁ・・・
そうだねよ、男の子が花言葉を知ってるはずないもんね・・・
そう、わざとじゃないよね・・・
もし、わざとだったら・・・
・・・うふっ」
「ひっ、ひえぇっ・・・
急に病むのは心臓に悪いから止めてくれ・・・
っていうか知らないとか言ってたけど、
絶対ミモザ知ってたよね・・・」
「もう、なにビビってるのぉ?」
「瞳のハイライトが消えてたよ・・・
ニコニコ笑ってた方が可愛いよ?」
「私はいつもニコニコ笑ってるでしよぉ?」
「たまにダークサイドに堕ちてるよ」
「コォーホォー、コォーホォー」
「暗黒卿か」
「ふふっ」
「ははっ」
「ほらぁ、笑顔だよぉ?」
「僕は地雷原でタップダンスをしている気分だよ」




