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カラオケの日

「さぁっ!思いっきり、う・た・う・ぞぉっ!」




彼女は腕を突き上げ、元気一杯に宣言した。




「お先にどうぞ」




そう言って僕はデンモクを彼女に差し出した。




今日は〈カラオケの日〉ということで、


近くのカラオケ店が半額キャンペーンをしていたので、彼女と一緒に来ていた。




「わあーい、なに歌おっかなぁ?」




彼女は楽しそうにデンモクをピッピピッピと操作していた。




「あれ歌ってよ、あれ」




何を歌おうか迷っている彼女に、僕はリクエストをする事にした。




「あれぇ?どれのことぉ?」




デンモクを操作していた彼女は手を止めて、僕の方を見つめてきた。




その表情から察するに、彼女の頭の上には大きなハテナマークが浮かんでいる。




「萌え萌えキューンのやつ」




僕は両手でハートマークを作り、彼女に理解を促す。




「萌え萌えキューン?」




彼女は今一つピンときていないようで、可愛らしく小首を傾げている。




「ほら、前にメイドのコスプレして歌ってくれたやつ」




彼女に思い出してもらうには情報が少なかったと判断して、


僕はより詳細なキーワードを提示した。




「あぁー、あれ?あれは特別だよぉ・・・


君が誕生日だったから、喜ぶと思ってやってあげたんだよぉ」




彼女はようやく僕がどの事を言っているのか分かったらしく、


パッと笑った後、苦笑するようにハニカんだ表情をした。




「そうだったんだ、


あの時は半乳丸出しの際どい衣装にばかり目がいってたからね・・・


後からよくよく思い出すと、


歌とダンスもクオリティ高くて上手かったなぁと思って」




彼女のたわわに実った爆乳が半分以上、美白の素肌を晒し、


胸のポッチがポロリするのでは、


と期待してしまう程ダイナミックに乳房をたっぷんたっぷん揺らして踊る姿は、


今思い出しても鼻血モノだった。




「そう?それは頑張った甲斐があったなぁ」




彼女は髪を撫で、テヘヘェと照れ笑いをした。




「つきましては思い出リクエストをしたいわけですよ」




僕は両手をあわせ、拝むように彼女にお願いした。




「えぇー・・・しょうがないなぁ、一回だけだよぉ?」




彼女はもったいつけながらもデンモクを操作し始める。




「ダンスもよろしくね」




僕はこの歌の肝である部分を、


きちんとやってもらうようお願いするのを忘れない。




「注文の多い観客さんだなぁ」




渋々ながらも曲を入れた彼女は、マイクを持って立ち上がった。




曲の始まりと共に彼女の圧巻のステージが繰り広げられた。




どの様なステージだったかは、読者の皆様のご想像にお任せしよう。




ただ言えるのは、僕はしばらくの間、立ち上がる事が出来なかった。

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