表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/67

センター試験~前日~

「三年の先輩たち、ピリついてるね」




学校に広がっている異様な空気に、僕は堪らず彼女に話しかけた。




「明日からセンター試験だからじゃない?」




彼女はこの異様な空気を何とも思ってていないようで、


素っ気なく返事を返してきた。




「そっか、センター試験があるんだ・・・


人生がかかってるもんね、そりゃあピリピリもするか」




彼女からこの異様な空気の原因を聞いて、僕は納得した。




「もし知り合いがいるなら、今日はソッとしておいてあげなさい」




彼女は念を押すように注意してきた。




「やっぱり、ソッとしておいた方がいいかな・・・


・・・カツ丼を差し入れようと思ってたんだけど」




彼女からの注意に、先ほど思い立った三年の先輩を励ますためのプランが揺らぐ。




「ただでさえ緊張しているだろうし、


余計プレッシャーになるかもしれないから、


気持ちだけ伝える事にしておきなさい」




彼女の意見を聞いて、今日ばかりは自粛するかと思った。




「そうするよ・・・僕の時は君のタイツを差し入れてね?」




僕は自分が緊張している時に、欲しい物を予めリクエストしておく。




「あら、センター試験を受けるつもりなの?」




彼女は意外そうな表情をして僕を見つめてきた。




「推薦は望み薄だからね・・・


君と同じ大学に行こうと思ったら、


センター試験を受けるしか方法が無さそうなんだなぁ」




自身の学力の無さに、思わずタメ息が出る。




「私と同じ大学に行くつもりなの?


・・・こう言ってはなんだけど、貴方の学力では今から勉強しても、


大分頑張らないと不可能よ?」




僕もその通りだと思い、苦笑を禁じ得なかった。




「最初から可能性を捨てるのは、ナンセンスだと思うんだ」




僕は不甲斐なさから肩を竦めた。




「そう、好きにしたら?」




そう言って彼女はクルリと踵を返し、僕に背を向けた。




彼女の肩はソワソワと揺れ、


落ち着きなく手で髪を弄る仕草に、


普段クールな彼女からは想像出来ないほど珍しく、


愛おしくて可愛かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ