バレンタイン~堕天使エロメイド~
「僕だ、入るよ?」
生徒会室の扉をノックして、向こう側にいるであろう彼女に声をかける。
彼女から放課後に生徒会室へ来るように言われていた僕は、
期待に胸を膨らませてホイホイとやってきた。
くれぐれも『一人で来るように』と言い含められていたので、
かなり期待が出来る。
「・・・いいわよ」
少し遅ればせながら彼女から入室の許可が出た。
「失礼しまぁーすぅ」
扉を開けた瞬間、
視界に飛び込んできたのは、
なんと表現しょうか、
そうだな・・・
さしずめ『堕天使エロメイド』と言ったところか。
頭に安っぽい作りの天使の輪を乗せ、
大胆に大きく開いた胸元の谷間は、実にセクシーだ。
均整の取れた見事なボディラインにピッチリと張りついたメイド服は、
エプロンの上からでも可愛らしいおへその形が浮かび上がっており、
隠しているようで隠せていないエロスを感じた。
彼女の脚線美を彩るのは、
実用性皆無の、男を虜にする為だけに存在しているような、
透け透けのホワイト・ニーハイソックスだ。
シミひとつ無い瑞々しい珠肌の脚が、
薄い純白のナイロンを纏う事により、
清楚さを通り越し淫靡を醸し出している。
「お帰りなさいませ、ご主人様」
羞恥に顔を真っ赤に染め上げながらも、
彼女は恭しく頭を垂れ、僕を出迎えてくれた。
上半身を前に倒した事で、胸元の谷間がより深くなっていた。
衣装からおっぱいが溢れそうだ。
「最っ高だよ!」
『堕天使エロメイド』なんて、ネットでしか見たことなかったが、
まさか生で拝める日が来るとは思わなかった。
「ご主人様、本日もお勤めお疲れ様でした。
ご飯になさいます?
お風呂になさいます?
それともバ・レ・ン・タ・イ・ン・チョコ?」
羞恥に彩られながらも彼女は『堕天使エロメイド』になりきっている。
「そうだな・・・君のバレンタインチョコを頂こうかな」
生徒会室にご飯もお風呂も無いに決まっているので、
その部分をわざわざ指摘するような無粋な真似はしなかった。
「ご主人様を想って、私が丹精込めてお作りしたチョコです・・・
・・・お召し上がり頂けますか?」
役に入り込んであるのか、
彼女は普段なら出さない媚びた甘ったるい声を上げ、
上目づかいでモジモジと照れながら、
綺麗にラッピングされた箱を差し出してきた。
「いま開けてもいいかな?」
「はいっ、もちろんでございます!」
彼女は嬉しそうに満面の笑みで答えた。
もう完全に別キャラじゃん。
「おぉー!見事な出来だね、食べるのがもったいないや」
ハート型に作られたチョコは、
見たからに手間暇かけている事がありありと伝わってきて、
彼女の気持ちを感じられ、嬉しく思った。
「ありがとうございます、ご主人様の為に気持ちを込めました
・・・どうぞお召し上がり下さい」
彼女はニコニコと笑いながら、食べるよう促してくる。
僕はハート型のチョコを手に取ると、大きくかぶりついた。
「うんっ!美味しいよ!」
「ふふっ、良かったです」
彼女は慈愛の微笑みを浮かべ、僕が夢中でチョコにかぶりつく姿を眺めている。
「あれ?普通のチョコとなんか違うな・・・何か隠し味があるの?」
もしかして、よく手作り食べ物系の話に聞く、〈彼女の体液〉だろうか?
「なんだと思いますか?」
彼女は小首を傾げ、上目づかいで逆に聞いてきた。
「んー、君の愛かな?」
もし彼女が『ヤン』でも、可愛いから許しちゃう。
「それはもちろん入っております・・・
隠し味は〈ご主人が好きなモノ〉ですよ」
「君のタイツかな?」
「ふふっ、さぁ?どうでしょうか」
結局、最後まで隠し味は何か教えてくれなかった。
色々と想像が膨らみ、良いスパイスになったと思う。
ここまで彼女の計算通りなら、実に見事な手際だ。
それにしても『堕天使エロメイド』か・・・。
ネタ、古くない?




