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節分
「鬼はぁーっ外ぉっ!、福はぁーっ内ぃっ!」
「豆をぶつけてくるのは止めてもらえる?
それとその行為は私は鬼だと言ってるものと捉えて間違い無いわよね?」
「いま君の表情が正に鬼の形相と表現して差し支えがないんだけど・・・
ほら、笑って?可愛い顔が台無しだよ?はいっ、スマイルゥー!」
「殴りたい、この笑顔」
「暴力はダメだよ?
今時暴力系ヒロインなんて流行らないよ?
やっぱ時代は癒しだよ、癒し」
「あー、無性に腹が立つこの気持ち、いったいどこに向ければいいのかしら?」
「僕に豆ぶつけて解消する?あ、そういや君用に恵方巻きを用意してたんだ」
「私用?貴方、自分の分は?」
「もちろん用意してるけど、大きさが違うからね」
「あぁ、私のは食べやすいように小さい物にしてくれてるのね?」
「まさか!逆さ!
特大の恵方巻きを用意してるから、
『おっきぃ』とか
『こんなの入らなぃ』とか
言って食べて貰わないといけないからね!」
「何をさせたいか容易に想像がつくけど、私にも拒否権があるのよ?」
「舌の使い方で評価が大きく変わるから、気を付けてね!」
「聞いちゃいない・・・こうなったら期待を超えてあげるわよ」
この後滅茶苦茶恵方巻きを美味しく頂いた。
彼女の食べる姿に関する感想は、
僕の恵方巻きが『恵方巻き』になったとだけ表現しておこう。




