降雪
「雪だね」
「雪ね」
「降ってるね」
「降ってるわね」
「降ってると言うより、吹雪いているね」
「そうね、吹雪いていると表現して差し支えが無いわね」
「電車、動いてないね」
「そうね、お陰で駅は人でごった返しているわね」
「やっぱ〈不要不急〉の外出は控えるべきだったかな?」
「そうね、理解してくれて嬉しいわ
・・・なぜ私が出掛ける前にこうなる事を助言したか分かってくれた?」
「痛いほど分かったよ・・・現在進行形で寒さで体が痛いし」
「そうね、寒いし立ちっぱなしだから体が痛いわね・・・
座れそうな店はみんな埋まっちゃってるし・・・
あら、あそこに『ご休憩』って看板が出ているわよ?」
「確かに出ているね『ご休憩』って看板が・・・
・・・分かって言ってる?ラブなホテルだよ?」
「あー、立ちっぱなしで疲れちゃったなぁー、
どこかで『ご休憩』出来ないかなぁー」
「あのー・・・入るのかなり勇気がいるんですけどぉー」
「あー、寒いなぁー、女の子と居るんだったら、
きちんとエスコートして欲しいなぁー」
「あ、あそこのラーメン屋空いてる!
小腹も空いたし、温かい物を食べない?」
「はいはい、別に期待なんてしてなかったわよ・・・
・・・ほら、エスコートしてちょうだい?」
「あー、やっぱ寒い日は温かいラーメンに限るね」
わざとらしく大きな声を出し、彼女の手を取りラーメン屋に向かう。
しかしいきなりラブなホテルはハードル高過ぎないだろうか?
そういうのはもう少し段階を踏むべきなのでは・・・
恋愛に夢みていたいお年頃なのだ。




