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短編集 冬花火

嘘ばかりのこの世界

作者: 春風 月葉

 この世界は偽物だと誰かが言った。

 そんなことはありえない、馬鹿げていると、そう群衆は根拠もないのに罵った。

 まるで何かに怯えるように。

 私もまた恐怖を感じていた。

 それは孤独の恐怖だろう。

 交差点をすれ違う隣の人の吐息も、私の手を引く友人の体温も、私の中で早鐘を打つこの心音も、そしてこの恐怖心さえもが全て作りものだとしたのなら…。

 人々は恐怖した。

 故に全てを否定する。

 もし本当にそうであったらと、そう思う心を誤魔化すように。

 全てが疑わしきこの世界で、人々は疑うことをしない。

 私もまた信じるべきものがわからないでいる。

 この世界は本物か否か?

 そんな疑問さえも偽物に思えるほどに、私はこの世界を知らない。

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― 新着の感想 ―
[一言] この世界は偽物だ、という言葉を通じてこの世界のもろさを感じることができた作品でした。
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