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八回目
「なぁ、今日は七夕たぜ!」
「それがどうしたの?」
「あそこで短冊配ってるんだよ」
「だから?」
「一緒に願い事書きに行こうぜ!」
「うるさいわね。書いたら静かにしてよね」
「分かったって!」
「なんて書いたんだ?」
「言う必要ないわ」
「教えろよ!」
「しつこいわね。だったら探せばいいじゃない」
「こ、この枚数からか!?」
「あなたの知りたい気持ちはそんなものなの?」
「さ、探してやる!」
「あなたはなんて書いたのよ」
「結婚したい!」
「そう、叶うといいわね」
「ずいぶんあっさりしてるな」
「だって、私じゃない誰かと結婚しても、その願い叶うでしょ?」
「か、書き直しだぁ!」





