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六十四回目
「今日も電車混んでるな」
「いつもより混んでいるわね」
「つか、まだ人乗って来るのかよ」
「みんな同じ時間に行動するからしょうがないわね」
「のぉぉぉ!」
「ちょっと、そんなに押さないでよ」
「無理言うなよ、これでも踏ん張ってるんだぜ?」
「踏ん張りが足りないわね。このままだと私がつぶれてしまうわよ?」
「俺が支えているから、お前はつぶれないんだろ?」
「それもそうね。あきらめてもいいわよ」
「いいのか?」
「疲れたでしょ? 毎日こんなことしていたら」
「俺はお前を守りたいんだよ」
「だったらもう少し、頑張って。後少しで終点よ」
「あぁ、頑張るさ。でも、さっきから俺の鳩尾を押すのはやめてくれ」
「あら? 私も協力しているのに?」





