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四十三回目
「結局夕方になっちまったな」
「女の子は準備に時間がかかるのよ」
「これからどうしようか?」
「もう夕方よ? どこかに出かけるにも遅いでしょ?」
「じゃぁ、久々にあそこに行こう!」
「なんでここに来るのよ」
「懐かしいだろ? ほら、なんでもおごってやるよ」
「本当にいいのね。じゃぁ、この棚にあるもの各一点、全種類買うわ」
「いいよ。お前だけだぞ」
「何がよ?」
「俺が財布を開くのは」
「そう、じゃぁ空っぽにしてあげるわ」
「空っぽにはならないさ。お前の写真が入っているからな」
「そんな写真入れないでよ」
「好きな奴の写真入れてもいいだろ? お前は写真入れてないのか?」
「な、何で私があんたの写真入れないといけないのよ!」





