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三十六回目
「いい匂いだな。コーヒーかな?」
「おはよう。良く寝れた?」
「ああ、疲れていたからぐっすりだ」
「本当に床で寝たのね」
「どうしても、お前と同じ部屋で寝たかったんだよ!」
「あきれるわ」
「それだけ、お前に惚れてるって事だな」
「いつまで私の事、想っているの?」
「なぜそんな事を聞く?」
「そろそろ飽きないのかしら? お互い知り合って十五年よ?」
「何を言っている? まだ十五年だろ? あと五十年は一緒にいるだろ?」
「あなたの中では五十年後も私がいるのね」
「俺の心にはお前しかいないのさ」
「くさいわね」
「そうでもないだろ?」
「いえ、パンが焦げたわ」





